JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2013-7
発生年月日 2012年09月16日
事故等種類 沈没
事故等名 モーターボートX-STAR沈没
発生場所 琵琶湖北東部 滋賀県長浜市南浜漁港南方沖 長浜市所在の南浜四等三角点から真方位183°1,050m付近
管轄部署 神戸事務所
人の死傷
船舶種類 プレジャーボート
総トン数 5t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2013年07月26日
概要  本船は、操縦者が1人で乗り組み、同乗者3人を乗せ、琵琶湖北部の長浜市竹生島北方沖3km付近で行っていたウェイクボードを終了し、平成24年9月16日15時00分ごろ長浜市長浜港へ向けて帰航を開始した。
 本船は、船体中央部右舷側に操縦席が、操縦席の左舷側から後部にかけての範囲及び操縦席の前方区画に座席が設けられていた。
 本船の船尾中央部は機関室となっており、その両側は空所で左舷側にはバッテリーが搭載されていた。
 本船は、帰航開始時から10m/sを超える南東風及び波高約3mの南東方からの波を船首方から受け、約30km/hの速力(対地速力、以下同じ。)でやや船尾トリムの状態で航行中、15時30分ごろ、竹生島の東方沖付近において、波が船首から船内に入るようになった。
 同乗者のうち2人は、帰航開始当初、操縦席の前方区画の座席(前部座席)に腰を掛けていたが、波が入って来たので、操縦席後部の座席(以下「後部座席」という。)に移動した。
 本船には、ビルジポンプが船体中央部付近及び機関室内の船尾寄りに各1台設置されており、船内への浸水は、後部座席付近中央部の甲板上に設けられた排水口から下方に流れ、ビルジポンプでくみ上げられて右舷ブルワーク上部に設けられた2か所の排出口(操縦席の前方及び船尾端付近)から船外に出されていた。
 操縦者は、ふだんからビルジポンプの作動スイッチを2台共に自動運転としており、波が船内に入って来た頃からビルジポンプが作動していることを作動音、排出口からの排水、作動スイッチ頭部のLEDの点灯などによって確認していた。
 操縦者は、波が船首方から船内に絶えず入って来る中を同じ速力で航行を続け、姉川の河口付近に至った頃、スロットルレバーを中立とし、約20km/hの速力に下がったところで同レバーを操作して速力を一定に保ち、長浜港へ向けるために左に変針した。
 操縦者は、船尾トリムが解消され、左転を終えて東進を始めた頃、後部座席に腰を掛けていた同乗者の足首付近に水が滞留していることを認め、ふだんよりも水の滞留量が多いと思い、また、機関の回転数が上がらないことを感じた。
 本船は、約10km/hの速力で東進中、操縦者が、後部座席付近に滞留した水が同乗者の膝下辺りに達していることに気付き、機関室のビルジポンプによる排水が追いついていないと思い、同乗者のうち1人がクーラーボックスで水をかき出していたところ、機関が停止した。
 操縦者は、機関を再始動して10km/h程度の速力で航行を開始したが、危険を感じ、左舷船首方の南浜漁港に避難することも考えて陸地に向かっていたところ、本船は、南浜漁港の南方沖300m付近において、船尾が一気に沈んで機関が停止し、後部座席付近に水が流入して水船状態となり、船尾方から沈下を始めて16時00分ごろ沈没した。
 操縦者は、携帯電話で110番通報して事故の発生を伝えたのち、同乗者3人と共に湖上を泳いでいたところを南浜漁港西方沖で遊走していた数隻の水上オートバイに救助され、南浜漁港から救助に駆けつけた小型船に移乗し、南浜漁港に到着した。 
原因  本事故は、本船が、琵琶湖北部の竹生島北方沖から長浜港に向け、船首方からの風波を受けて波が船首から船内に連続して入る状況で南東進中、操縦者がビルジポンプを作動させて航行していたものの、浸水量に比べて排水量が少なくなったため、南浜漁港南西方沖において、後部座席付近に水が流入し、同漁港南方沖で水船状態となったのち、沈没したことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。