JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2013-7
発生年月日 2012年04月10日
事故等種類 浸水
事故等名 旅客船すずよし浸水
発生場所 福島県福島第一原子力発電所東方沖 東電福島原子力発電所専用港南防波堤灯台から真方位089°7.8海里付近
管轄部署 仙台事務所
人の死傷
船舶種類 旅客船
総トン数 5~20t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2013年07月26日
概要  本船は、船長及び甲板員が乗り組み、回航のために平成24年4月10日00時00分ごろ福島県いわき市小名浜港を出港し、宮城県仙台塩釜港に向け、塩屋埼東方沖を約7ノット(kn)の対地速力で北北東進した。
 本船は、前部甲板後方から船尾の操縦場所までの間に座敷があり、操縦場所からは、同甲板が座敷の屋根の死角に入っていた。
 本船は、座敷の船首には前部甲板に出入りできる窓ガラスが設けられ、船長は、船首の窓ガラスが割れないように外側へ合板をあてていたため、座敷からは同甲板の状況が見えなかった。
 本船は、出港してから約3時間、南方から波高約1mのうねりのような波を船尾に受けていた。
 本船は、03時00分ごろ、福島第一原子力発電所(以下「発電所」という。)東方約20km付近に向けて航行中、風がほぼない状態から北からの風を受け始めた。
 船長は、04時30分ごろ、南からのうねりの中で北からの風が強まり、波高が約1.5~1.8mに高まったので、波による船体への衝撃を和らげるために速力を約5knに減じたが、船首を越えた波が前部甲板に打ち込み、海水が滞留して同甲板上の蓋から発電機室に浸水したと思い、同室に設置されたビルジポンプを始動した。
 甲板員は、船体の揺れが大きくなったと感じた頃、座敷におり、船首の窓ガラスの下枠が濡れていたのを認めた。
 船長は、05時00分ごろ、船首部が波をかぶり、波をすくい始めたので、前部甲板の海水を排水できなくなると思い、針路を発電所東方の警戒区域に入る北西に向け、速力を約4knに減じた。
 船長は、座敷から浸水状況を点検したところ、船首の窓ガラスに水滴が付いたのを見て前部甲板に波が打ち込んだと思った。
 本船は、05時15分ごろ、発電所東方沖の航行禁止区域において、右舷船首から波が船首を越えて前部甲板に打ち込み、合板が外れて船首の窓ガラスが割れ、海水が、前部甲板から座敷に流れ込み、床にはめていた蓋が浮き上がり、機関室に浸水して船首が海面付近まで没した。
 船長は、主機を止め、航行不能と判断し、05時27分ごろ118番通報して救助を要請したのち、来援した巡視船に甲板員と共に救助され、小名浜港に搬送された。
 本船は、A社によって手配されたサルベージ船にえい航され、福島県相馬港に入港した。
原因  本事故は、本船が、発電所東方沖を北西進中、波が前部甲板に打ち込み、海水が船首の窓ガラスを割って座敷内に滞留し、機関室出入口の蓋が浮き上がったため、機関室に浸水したことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。