JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2013-5
発生年月日 2012年07月14日
事故等種類 乗揚
事故等名 旅客船かのこ乗揚
発生場所 鹿児島県薩摩川内市江石港西南西方沖   薩摩川内市所在の甑平良港東防波堤灯台から真方位053°2,150m付近
管轄部署 門司事務所
人の死傷
船舶種類 旅客船
総トン数 5~20t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2013年05月31日
概要 本船は、本件船長が単独で乗り組み、観光案内役である薩摩川内市の嘱託職員1人(以下「ガイド員」という。)及び旅客23人を乗せ、約1時間をかけて甑島列島の東岸沖を巡る遊覧コースの周遊を行うため、平成24年7月14日13時30分ごろ薩摩川内市中甑港を出港した。
本船は、本事故発生当日が本来の船長の休暇日であったため、一等航海士が船長として乗り組んでいた。
本件船長は、当日の天気予報を見て波が高くなるとの情報を入手し、基準経路途中の海域でうねりがあることが予想されたことから、旅客の船酔いを防止するため、基準経路の途中で折り返すルートに変更することとし、出港前に運航管理者にその旨を連絡するとともに、乗船券を購入する旅客に対しても同様の説明を行っていた。
本件船長は、周遊コースを短縮したものの、当初の遊覧航行予定時間である1時間は満たす必要があると考え、出港直後から基準経路よりも大幅に陸岸に近寄り、中甑島東岸の入り組んだ海岸線にほぼ沿って低速力で南進したのち、うねりのある海域を避けて中甑島南東端付近で折り返し、上甑島南端付近の江石浦に向けて北北東進した。
本件船長は、江石浦に至って江石港を右舷方に見ながら西進したのち、最後の景勝ポイントとなる小島に東方から接近して島の周囲を遊覧航行中、小島の西岸沖において、旅客からもう少し陸岸に近寄ってほしい旨の要請を受けた際、付近の水深にはまだ余裕があると思い、旅客に迫力ある景色を見せようとして更に小島の西岸へと接近したところ、14時20分ごろ船尾付近に軽い衝撃を感じた。
本件船長は、旅客が衝撃に気付いた様子がなかった上、船体の振動に特段の変化も感じられず、ガイド員に確認したところ衝撃を感じなかった旨の返答があり、念のために操舵席近くにある機関室の確認口から機関室内の様子を確認したが、浸水等の異常が無かったため、自身の気のせいであったかと思い、少なくとも急を要する事態ではないと判断し、中甑港に向けて帰航した。
本件船長は、旅客の下船後、浅瀬に接触したかもしれない旨を運航管理補助者に連絡して自身が潜水し、プロペラ翼に損傷を生じていることを確認した。
原因  本事故は、本船が、東海岸コースにおいて、基準経路よりも小島に接近して遊覧航行中、旅客からもう少し陸岸に近寄ってほしい旨の要請があった際、本件船長が、水深に余裕があると思い込み、ふだんよりも更に小島に接近したため、小島の西岸沖にある孤立した暗岩に乗り揚げたことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。