
| 報告書番号 | MA2013-5 |
|---|---|
| 発生年月日 | 2011年01月30日 |
| 事故等種類 | 乗揚 |
| 事故等名 | 貨物船BOHAI CHALLENGE乗揚 |
| 発生場所 | 石川県金沢市金沢港 金沢港西防波堤灯台から真方位187°1,420m付近 |
| 管轄部署 | 神戸事務所 |
| 人の死傷 | |
| 船舶種類 | 貨物船 |
| 総トン数 | 5000~10000t未満 |
| 報告書(PDF) | 公表 |
| 公表年月日 | 2013年05月31日 |
| 概要 | 本船は、船長及び機関長ほか乗組員17人(乗組員全員中華人民共和国籍)が乗り組み、金沢港に向けて航行中、平成23年1月29日21時00分ごろ、船長が、昇橋して三等航海士と甲板手を指揮して操船指揮に就き、機関制御室に入港用意1時間前を指示した。 機関長は、機関制御室に機関士3人が配置する中、21時38分ごろ燃料油をC重油からA重油に切り換え、22時00分ごろ主機の前後進及び操舵機テストを終えて機関用意を完了した。 船長は、風力7~8の北西風と波高約3~4mの北西からの波を受ける状況下、金沢市所在の船舶代理店から入港予定時刻が30日09時00分ごろとの連絡を受けていたので、金沢港外か、金沢港内での錨泊又は金沢港外での漂泊を考慮に入れて航行し、29日22時41分ごろ、半速力前進を指示したのち、錨泊することも考えて一等航海士と甲板長に対し、船首配置に就くよう指示した。 本船は、船長が、23時00分ごろ天気予報を確認して金沢港外での錨泊は無理だと判断し、「にいがたほあん」を呼び出して金沢港内での錨地について情報を求めたところ、確認するので待つよう回答があり、同港内で錨泊できる可能性もあると思いながら、金沢港に向けて航行を続けた。 船長は、23時25分ごろ微速力前進を、23時26分ごろ極微速力前進を順次指示したが、この頃、ガバナーシステムエラーの警報が鳴って同警報ランプが点滅し、本船は、金沢港西防波堤灯台から239°(真方位、以下同じ。)1.8海里(M)付近において主機が停止した。 機関長は、機関制御室のガバナーシステムエラーのリセットボタンを押して警報を解除し、テレグラフレバーをストップにしたのち、主機の始動に取り掛かったが、このとき、始動空気圧力は29kgf/㎠あり、空気がシリンダーに入るのに燃料運転とならず、START FAILの警報ランプのほか、SCAVENGING AIR、TORQUE及びPICK UPの赤色表示灯が点灯していたものの、その理由は分からなかった。 主機は、機関長が、機関制御室での始動を諦めて機側操縦に切り換え、ガバナーの縁を切って機側での始動を試みたところ、始動空気がシリンダーに入って瞬間的に機関回転数毎分(rpm)が約35~40に上がったものの、燃料運転にならずにすぐ停止し、このような操作を4~5回繰り返していたところ、1回だけ約100rpmまで上昇したが、燃料運転にならなかった。 一方、船長は、本船が風波により東方に圧流されるので、23時36分ごろ一等航海士に左舷錨を投入させて錨鎖8節まで繰り出させ、また、23時46分ごろ圧流の速度を減じるために右舷錨を投入させて錨鎖3節で止めさせ、沖に向かうつもりで主機の再始動を待った。 本船は、東方に向けて圧流され続け、30日00時34分ごろ、金沢港西防波堤灯台から187°1,420m付近において、金沢港西防波堤(以下「西防波堤」という。)西側の浅所に乗り揚げ、その直後、西防波堤西側外周に設置された消波ブロックに船尾部が衝突した。 船長は、右舷後部外板から浸水したことを聞き、乗組員に対して船橋に避難するよう指示して救助を待ち、その後、海上保安庁の特殊救難隊員が本船に来援し、乗組員全員が救助された。 本船は、本事故後、悪天候が続いて引き出しができず、その後、船底部及び機関室の腐食が激しいことが判明し、廃船処理された。 |
| 原因 | 本事故は、夜間、本船が、日本海に海上強風警報が発表された状況下、港内での錨泊の可能性を期待して金沢港に向けて東進中、主機を微速力前進から極微速力前進にしたとき、主機が停止したため、風力7~8の西風が吹く状況において、圧流を防止しようとして両舷錨を投錨し、主機の再始動を待っていたものの、西防波堤西側の浅所に向けて圧流され、西防波堤西側の浅所に乗り揚げたことにより発生したものと考えられる。 |
| 死傷者数 | なし |
| 勧告・意見 | |
| 情報提供 | |
| 動画(MP4) | |
| 備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。