JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2013-5
発生年月日 2012年04月09日
事故等種類 衝突
事故等名 漁獲物運搬船第五十一住宝丸漁船第十八司丸衝突
発生場所 高知県土佐清水市足摺岬東南東方沖 足摺岬灯台から真方位113°5,270m付近
管轄部署 神戸事務所
人の死傷
船舶種類 漁船:漁船
総トン数 200~500t未満:5~20t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2013年05月31日
概要  A船は、船長A及び航海士A1ほか3人が乗り組み、愛媛県宇和島市内の5か所の養殖いけすを順次回って活魚を合計約26t積み込み、航海士A1が、平成24年4月9日16時55分ごろ、土佐清水市叶埼の南方沖約0.5海里(M)を通過したのち、足摺岬の南方沖約0.5Mに向ける約097°の針路(真方位、以下同じ。)とし、機関を回転数毎分(rpm)約500として約9.7ノット(kn)の速力(対地速力、以下同じ。)で自動操舵により航行した。
 航海士A1は、操舵室の左舷側に設置されたレーダー2台のうち、中央寄りのレーダーを作動させ、6Mレンジとして見張りを行いながら東進中、左舷船首50°4M付近に約170~180°の針路で航行しているB船を探知し、A船とB船の進路が交差すると思い、レーダーを3Mレンジに切り換え、レーダー画面の端に映ってきたB船の動静を監視した。
 航海士A1は、B船との距離が約3MとなったときにB船を目視で認め、針路及び速力を保って航行していたところ、B船の方位が余り変わらなかったので、B船との距離が約1Mとなった頃、A船の存在を知らせるために短音を5回鳴らして汽笛信号を行い、このままB船がA船を避けずに接近して来た場合、どのように避ようかと考えながら航行した。
 航海士A1は、B船との距離が約0.5Mになったとき、手動操舵に切り換え、2回目の短音を5回鳴らして汽笛信号を行うとともに、A船の船首付近を投光器で照らしたが、B船がA船の左舷正横至近に接近し、B船を避けるために右舵一杯を取ったものの、18時15分ごろ、足摺岬灯台から113°5,270m付近において、A船が約10°右転した頃、A船の船尾左舷側とB船の船首部とが衝突した。
 船長Aは、機関員Aから衝突したとの報告を受けて昇橋し、乗組員にA船の損傷状況を調査するよう指示した。
 B船は、船長Bほか5人が乗り組み、まぐろはえなわ漁を行うため、船長Bが、土佐清水市以布利港での出港操船に続いて船橋当直に就き、レーダーを0.75Mレンジとして使用し、17時50分ごろ土佐清水市窪津埼南東方沖で約170°の針路として自動操舵により約7.2knの速力で航行した。
 船長Bは、18時10分ごろ、レーダー画面上に他船の映像がないことを確認したのち、操舵室階下の船員室へ気象ファクシミリで受信した天気図を取りに行くこと、及び予備の電球を棚に収納しに行くこと、並びに後部甲板の作業場で漁の準備をしている甲板員3人に指導を行うことのために操舵室を離れて無人とした。
 船長Bは、甲板員3人への指導を終えて船員室に入った際、機関長から気象ファクシミリが紙詰まりしているので直してほしいと言われ、詰まった紙を取り除いて昇橋しようとした頃に衝撃を感じ、急いで昇橋して船首方を見たところ、A船の船尾を認めた。
 船長Bは、B船の損傷状況を調査して船首部に亀裂が生じていることを確認し、船首部水面下の損傷の有無を確認するために出漁を取りやめ、以布利港に帰港することとした。
 船長Aは、B船が漁港に入ったことをレーダーで確認したのち、目的地に向かった。
原因  本事故は、足摺岬東南東方において、A船が東進中、B船が南進中、航海士A1が、左舷前方から接近するB船がA船の近くで避けるものと思い込み、針路及び速力を保って航行し、また、船長Bが、0.75Mレンジで使用していたレーダーで周囲に他船がいないことを確認したのち、操舵室を離れて操船を行っていなかったため、両船が衝突したことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。