JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2013-5
発生年月日 2012年04月01日
事故等種類 死傷等
事故等名 漁船寳徳丸乗組員負傷
発生場所 秋田県にかほ市象潟漁港西方沖 にかほ市所在の象潟港防波堤灯台から真方位278°9.7海里付近
管轄部署 仙台事務所
人の死傷 負傷
船舶種類 漁船
総トン数 5~20t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2013年05月31日
概要  本船は、船長、機関員及び甲板員ほか1人が乗り組み、象潟漁港西方沖の漁場において沖合底びき網漁の操業を行っていた。
 本船は、船首を南方に向けて4回目の揚網を始め、機関員は、後部甲板の船首側に設置された左右舷のリールウインチを操作し、引き綱に続いて底びき網の網口付近まで巻き取った。
 船長は、機関を中立として後部甲板で作業に加わり、甲板員が、リールウインチの後方の同甲板中央に設置された揚網機のボールローラーに網を挟み込み、ボールローラーを正転(網を船内に取り込む方向)させて揚網を行っていたが、網口に袋網が引っ掛かって網が丸まった状態となった。
 船長は、網を揚げると漁獲物が傷むので、網を海に戻すことにし、ボールローラーから網を外したのち、甲板員2人と共に船尾端で網の様子を見ていた。
 機関員は、網がボールローラーから外れていたのを見てボールローラーに網を挟み込み、海に網が落ちないようにしようと思った。
 機関員は、船長に報告せずに‘ 揚網機のクラッチ操作レバーにプラスチック製の枠組みを連結させた装置 ’(以下「操作レバー連結枠」という。)を正転から中立に操作した。
 機関員は、ボールローラーが止まっていると思い、ボールローラーの船首側でボールローラーの下側から網を右手で挟み込んだところ、ボールローラーが微速で逆転(網を海中に押し戻す方向)しており、平成24年4月1日12時50分ごろ網と共に右手がボールローラーに巻き込まれた。
 機関員は、操作レバー連結枠が中立の位置を過ぎて逆転に入っていたことに気付き、右手を下ろして外そうとしたが外れず、右腕から右肩付近まで巻き込まれ、左手で操作レバー連結枠を正転の位置に操作して右腕を外した。
 船長及び甲板員は、船尾方を向き、網の状況を見ており、機関員が揚網機の操作を行っていることを知らず、機関員が右腕を外したと同時に網が甲板上に落下した音を聞いて本事故の発生を知った。
 船長は所属漁業協同組合の職員に救急車の手配を依頼し、機関員は自力で船員室へ戻った。
 本船は、揚網後、象潟漁港へ帰港し、機関員は、待機していた救急車で病院へ搬送され、右鎖骨骨折、右肋骨骨折及び血気胸と診断された。
原因  本事故は、本船が、象潟漁港の西方沖において、底びき網の揚網中、機関員が、ボールローラーに網を挟み込み、網が海に落ちないようにしようとし、操作レバー連結枠を中立に操作したので、ボールローラーが止まっていると思い、微速で逆転していたボールローラーに網を右手で挟み込んだため、網と共に右手がボールローラーに巻き込まれたことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 負傷:1人(機関員)
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。