JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2013-5
発生年月日 2012年11月28日
事故等種類 火災
事故等名 漁船漁神丸火災
発生場所 北海道函館市戸井漁港南南東方沖 函館市所在の戸井港南防波堤灯台から真方位158°6.7海里付近
管轄部署 函館事務所
人の死傷
船舶種類 漁船
総トン数 5~20t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2013年05月31日
概要  本船は、船長が1人で乗り組み、戸井漁港の南南東方沖でまぐろ延縄漁の操業中、船長が、主機関のクラッチを中立として前部甲板の船橋前付近において、1篭分(針21本)を揚げて2篭目の針の引き上げに取り掛かったとき、マグロが掛かっている手応えがあったので、平成24年11月28日06時50分ごろ電気ショッカー(電気ショックにより、一瞬にしてマグロや鮫などを気絶させ、暴れやスレによる魚体の損傷を最小限にする漁労装置)のリングにマグロが掛かっている針糸を通し、電源のスイッチを入れてリングを海中に落とした。
 船長は、約1分~2分後にスイッチを切り、リングを回収した後にマグロを引揚げたが、いつものようには電気ショッカーが効いておらず、マグロが暴れたので、おかしいと思った。
 船長は、前部甲板の船倉内の水氷にマグロを入れるために血抜き等の処理をしていた07時00分ごろ、以前に電線が焼けたときに嗅いだことのある異臭を感じて付近の電気配線を確認したが、異常がないので、異臭が機関室から来ているのではないかと思い、機関室の出入口がある船員室へ向かった。
 船長は、船員室の床の右舷寄りにある機関室出入り用の蓋(以下「機関室蓋」という。)を開けたところ、煙が立ち上がり、機関室内が黒煙で充満し、機関室右舷側の金属製燃料油タンク上に設置された電気ショッカー兼用の溶接機(以下「本件溶接機」という。)付近に炎を認めたので、すぐに機関室蓋を閉めた。
 船長は、船橋で主機関を止め、船員室の屋上の船尾側に備え付けていた持運び式消火器2本を持って船員室に向かい、機関室蓋を開け、炎が見えた所へ向けて消火器を噴射したが、火勢は全く衰えず、機関室蓋を閉めた。
 船長は、無線機が停電により使用できなくなっていたので、携帯電話で07時08分ごろ僚船へ、また、07時14分ごろ所属の漁業協同組合へそれぞれ救助を依頼した。
 船長は、約10分後に来援した僚船Aの持運び式消火器2本を使用して機関室内へ噴射したが、火勢が衰えなかったので、自力消火を諦め、07時30分ごろ、僚船Bに乗り移り、救助された。
 本船は、来援した巡視船が消火活動中の12時55分ごろ転覆し、巡視船によりえい航されていた21時55分ごろ、函館市汐首岬南南東約7kmにおいて、えい航索が荒天のために切断し、所在が不明となり、その後、2日間捜索されたが発見されなかった。
原因  本事故は、本船が、戸井漁港の南南東方沖においてまぐろ延縄漁の操業中、機関室に設置された本件溶接機の電気配線が経年劣化して絶縁抵抗が低下したため、相間短絡を生じ、発火したことにより発生した可能性があると考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。