JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2013-4
発生年月日 2012年09月10日
事故等種類 衝突
事故等名 貨物フェリーシーカーゴ五島漁船かな丸衝突
発生場所 長崎県新上五島町有川湾野案中島西方沖 新上五島町所在の継子瀬灯台から真方位042°4,800m付近
管轄部署 長崎事務所
人の死傷
船舶種類 貨物船:漁船
総トン数 500~1600t未満:5t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2013年04月26日
概要  A船は、船長A及び航海士Aほか4人が乗り組み、航海士Aが、船橋当直に就き、長崎県西海市平島北方沖を約260°(真方位、以下同じ。)の針路及び約15ノット(kn)の速力(対地速力、以下同じ。)とし、新上五島町榎津港に向けて自動操舵により航行した。
 船長Aは、入港操船に備えてふだんは08時25分ごろ昇橋していたが、本事故前日、有川湾内でとびうお2そうびき船びき網漁船が20隻ほど操業していたことから、本事故当日の平成24年9月10日は08時05分ごろ昇橋して同漁船がいないことを確認し、船橋左舷後部でコーヒーを飲み始めた。
 航海士Aは、08時10分ごろ、有川湾入口の野案中島北東方約2海里(M)付近において、3Mレンジとしたレーダー画面で同島西方沖300m付近に2隻の映像を認め、双眼鏡を使って2隻の漁船が互いに接近して止まっていることを確認したのち、有川湾内の榎津港に向け、自動操舵装置の設定ダイヤルを回して徐々に左回頭を始めた。
 A船は、野案中島の北西方沖を約237°の針路で航行中、航海士Aが、08時19分ごろ、3Mレンジから1.5Mレンジに切り換えたレーダー画面で止まっていた2隻のうちのB船がA船の左舷側を航行しているのを認め、船橋左舷側の窓からB船が西進していることを確認した。
 航海士Aは、08時20分ごろ、左舷側から接近するB船を認め、これまでの経験からそのうちに漁船であるB船がA船を避けると思い、汽笛で短音1回を吹鳴して自動操舵装置の設定ダイヤルにより、約5°右回頭したのち、なおもB船が接近するので、更に汽笛で短音1回を吹鳴して自動操舵装置の設定ダイヤルにより、約5°右回頭した。
 航海士Aは、レーダー画面でB船のエコートレイルによる映像が右に振れたように見えて「あっ」と叫んだところ、船長Aが、異変に気付き、船橋左舷側の窓からB船が接近するのを視認し、汽笛で短音や長音を断続的に吹鳴した。
 A船は、更にB船が接近するので、船長Aの指示により、航海士Aが、自動操舵から手動操舵に切り換えて右舵一杯、続いて可変ピッチプロペラの翼角を0°としたが、08時21分ごろ左舷前部外板とB船の右舷船首部のかんぬきが衝突した。
 B船は、船長Bが1人で乗り組み、とびうお2そうびき船びき網漁業を終え、新上五島町小串漁港に南方から回り込むように入港するため、08時18分ごろ野案中島西方沖300m付近を発進し、約13knの速力で新上五島町平瀬鼻に向けて手動操舵により西進した。
 船長Bは、後方から汽笛が聞こえて周囲を見回したが、他船を認めず、B船と衝突するような船がいれば、そのうち見えるものと思い、航行を続け、衝突直前にA船に気付いて機関を中立にしたがA船と衝突した。
 船長Aは、両船の負傷者の有無や損傷状況を確認し、船舶所有会社に連絡したのち、海上保安部に通報した。
原因  本事故は、野案中島西方沖において、A船が南西進中、B船が西進中、航海士Aが、左舷側から接近するB船を認め、自動操舵装置の設定ダイヤルにより2回の右転で約10°変針したのみで航行し、また、船長Bが見張りを適切に行っていなかったため、両船が衝突したことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。