JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2013-4
発生年月日 2012年08月27日
事故等種類 衝突
事故等名 旅客フェリーフェリーきょうと2漁船天神丸漁船天神丸漁船藤丸衝突(漁具)
発生場所 兵庫県姫路市男鹿島南方沖 男鹿島灯台から真方位174°9.8海里付近
管轄部署 神戸事務所
人の死傷
船舶種類 旅客船:漁船:漁船:漁船
総トン数 5000~10000t未満:5t未満:5t未満:5~20t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2013年04月26日
概要 A船は、船長Aほか27人が乗り組み、平成24年8月27日04時58分ごろ備讃瀬戸東航路を通過後、船長Aが降橋して航海士Aが、操船指揮を引き継ぎ、2号レーダーを作動させ、08時20分に阪神港大阪第4区にあるフェリーふ頭に到着する予定で播磨灘を推薦航路に沿って東北東進した。
航海士Aは、甲板手Aが手動操舵に、甲板員Aが見張りにそれぞれ当たる中、推薦航路の南側をA船よりも速力の遅い5隻の同航船が航行していることから、同航路の北側を航行していたところ、播磨灘航路第2号灯浮標を右舷に見て通過した05時28分ごろ左舷方から南進して来る約40隻の漁船群を視認した。
航海士Aは、05時35分ごろ、日出後間もない太陽光が船首右舷方から船橋内に差し込んでくるので、甲板員Aと共に前面の窓の上部に設置している遮光スクリーンを下げて見張りを行っていたが、その後、漁船群のうち数隻をレーダーでプロットし、速力(対地速力、以下同じ。)が約6~7ノット(kn)と表示されたので、漁場に向けて航行していると思って航行していたところ、漁船群が船首方を次々と右方に横切って行き、その後方にも約40隻の新たな漁船群が南進して来ることを認めた。
航海士Aは、05時45分ごろ、針路約075°(真方位、以下同じ。)及び速力約22.2knで航行していたとき、現在の針路及び速力を維持すれば、最初の漁船群の最後尾付近にいる数隻の漁船に相当接近すると判断し、05時48分ごろ、左転して針路を約070°とした。この頃、甲板員Aは、船首方を横切って行く漁船は航行中の漁船と思っていたが、右方に横切って行った漁船の中に投網してえい網を始める漁船があることを見た。
航海士Aは、船首方を右方に横切って行ったB船、C船及びD船のうち、D船が間もなく戻って左方に横切ったので、どうしたのかと思っていたところ、甲板員Aから、D船の近くに浮標(オレンジ色)があるとの報告を受け、左舵を令して浮標を避けたものの、A船は、B船と共にえい網していたC船とD船の間を通過し、その後、航行を続けて定刻にフェリーふ頭に到着した。
B船は、二そう船びき網漁業に従事する網船であり、船長Bが1人で乗り組み、網船のC船及び船長Dほか1人が乗り組んでいる運搬船のD船と船団(以下「B船団」という。)を組み、船長Dが船団の指揮に当たり、出港時刻として取り決められている04時30分ごろ僚船と共に姫路市坊勢漁港を出港し、漁船群の最後尾付近に位置して播磨灘を南進した。
船長Dは、魚群探知機で探索を行いながら航行し、05時45分ごろ、播磨灘航路第3号灯浮標と同4号灯浮標の間付近において、操業を開始することにし、乗組員をB船に移乗させて船長Bに投網を指示した。
船長Bは、えい網の指揮を執り、機関を中立としてD船の乗組員と投網作業を行い、浮標を投入したのち、近くにいたC船に一方の引き綱を渡し、南方に向けてえい網を開始した頃、右舷方にB船及びC船に向かって接近してくるA船を視認した。
船長Dは、A船の接近を知り、B船及びC船がえい網を始めた漁網(以下「本件漁具」という。)がA船に引かれれば、B船及びC船が転覆する虞があるので、無線で両船に全速力で航行するように指示したのち、まだ海面付近を漂っている本件漁具の北側に戻り、操舵室から前部甲板に出てA船に対して本件漁具を避けるよう、雨具を左右に振って注意を喚起したが、05時52分ごろ、A船が、本件漁具の上を通過した。
船長Dは、すぐ東側で操業を開始していた船団の運搬船にA船を追い掛けるように依頼したものの、追い付くことができず、06時30分ごろ所属する漁業協同組合の担当者に携帯電話で連絡したのち、本件漁具を回収して坊勢漁港に帰港し、連絡を受けた担当者は、海上保安庁に通報後、A船の運航会社に電話をした。
原因 本事故は、男鹿島南方沖の播磨灘の推薦航路付近において、A船が東北東進中、B船団がえい網を開始して南進中、航海士Aが、左舷方から南進する漁船群の最後尾付近にいたB船団を航行中の漁船と思い込み、B船団がえい網を開始していることに気付かなかったため、A船と本件漁具とが衝突したことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。