JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2013-4
発生年月日 2012年06月09日
事故等種類 衝突
事故等名 漁船茂寿丸遊漁船第五和丸衝突
発生場所 和歌山県由良町十九島北東方沖 由良町所在の紀伊海鹿島灯標から真方位056°3,140m付近
管轄部署 神戸事務所
人の死傷 負傷
船舶種類 漁船:遊漁船
総トン数 5t未満:5t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2013年04月26日
概要  A船は、船長Aが1人で乗り組み、由良町戸津井北方沖の弁天岩の西方で採貝漁を行っていたが、船長Aが、漁を終えて由良町大引漁港に帰港することとし、周囲を見渡して航行に支障となる船がいないことを確認したのち、平成24年6月9日10時15分ごろ弁天岩西方の漁場を発進した。
 船長Aは、船体後部の機関操縦台の後方に立って右手で舵柄の操作を行い、前方を向いて由良町チガ崎と十九島北東端とを結ぶ見通し線の北(右)側を対地速力約8ノットで西南西進中、時刻を確認しようとし、機関操縦台の下部に置いていた携帯電話を取ろうとして頭を下げたとき、B船と衝突してA船の船首部がB船に乗り上がった。
 B船は、かせ船と呼ばれる無動力の遊漁船であり、釣り客B1及び釣り客B2ほか1人(小人)が乗り、全員が救命胴衣を着け、船長Cが1人で乗り組んだC船の左舷側に接舷されて05時00分ごろに由良町戸津井漁港を出港し、約5分後、十九島北東方沖150m付近に到着した。
 船長Cは、B船に乗り移り、船首を北~北北東方に向けたB船の船首から錨を入れ、錨索を約40m延出させて錨泊させたのち、B船の船首右舷側にポールを立てて甲板上約2mに黒色球形形象物を1個掲げ、更にその上部に横約60cm及び縦約50cmの赤色及び緑色の旗を2枚重ねて表示し、釣り客3人に対して10時ごろに見回りに来ること、及び何かあったら連絡するようにと伝え、C船で戸津井漁港に帰港した。
 B船の釣り客3人は、釣り客B1が左舷側後部で、釣り客B2が左舷船首部のたつ付近で、他の1人が2人の間でそれぞれ椅子に腰を掛け、左舷側を向いて釣りを行った。
 釣り客B1は、船舶の機関音が聞こえたので、後方を振り返った際、B船から離れた所をA船が航行しているのを見たが、釣りを開始してからB船の北方を航行する船舶を見掛けていたので、A船が同じようにB船の北方を航行して行くと思った。
 釣り客B1は、左舷側に向き直って釣りを続けていたものの、約1分後に再度後方を振り返り、A船がB船の至近に迫っているのを認め、びっくりして声を出すこともできずにいたところ、A船の船首部とB船の右舷前部とが衝突し、A船の船首部が持ち上がってB船上に乗り上がったのを見た。
 釣り客B2は、B船の船首端に頭部を乗せて寝ていたところ、ガンと音がしてB船が揺れたので、上体を起こした際、身体の上に覆いかぶさった状態のA船に頭部が当たった。
 船長Aは、機関を後進にかけてA船をB船から離したのち、釣り客B2の太腿にA船の船底塗料が付いていたので、釣り客B2に病院に連れて行くと申し出たが、断られた。
 釣り客B1は、所有者Bの自宅に電話をして事故に遭ったことを伝えた。
 船長Cは、本事故発生の連絡を受けてC船でB船の錨泊場所に到着したところ、付近にいた船長Aから釣り客を病院に連れて行ってほしいと言われたので、釣り客3人に負傷の有無を確かめ、10時32分ごろ119番通報して救急車を手配したのち、C船に移乗させて戸津井漁港に帰港した。
 釣り客B2は、救急車により病院に搬送され、頸椎捻挫並びに頭部、左肩及び左膝打撲と診断された。
原因  本事故は、十九島北東方沖において、A船が西南西進中、B船が錨泊して釣り中、船長Aが、前路には航行に支障となる船舶がいないと思い込み、前方を向いていたものの、見張りを適切に行っていなかったため、両船が衝突したことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 負傷:1人(第五和丸旅客)
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。