JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2013-2
発生年月日 2012年02月15日
事故等種類 転覆
事故等名 漁船実昌丸転覆
発生場所 長崎県新上五島町中通島北西方沖  長崎県小値賀町所在の五島白瀬灯台から真方位189°6,200m付近
管轄部署 長崎事務所
人の死傷 負傷
船舶種類 漁船
総トン数 5~20t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2013年02月22日
概要  本船は、船長、甲板員A及び甲板員Bが乗り組み、長崎県五島列島北西方沖の漁場におけるいか釣り漁を終えて同漁場を発進し、船長が、単独で船橋当直に当たり、GPSプロッターと1.5海里レンジとしたレーダーを使用し、速力約9ノットで自動操舵により新上五島町青方港に向けて南東進した。
 本船は、前部甲板に7個の魚倉が縦列に配置され、いずれも蓋で閉鎖されており、船首側から1番目の魚倉は物置として使用し、2、3番目の魚倉に氷を、4、6、7番目の魚倉に空の発泡スチロール製の箱をそれぞれ積み込み、5番目の魚倉に1箱当たりイカ20杯(重さ約4kg)と氷を入れた発泡スチロール製の箱約100個を隙間なく積み込んでいた。
 また、前部甲板上船首側に同様にイカと氷を入れた発泡スチロール製の箱約90個を横2列の5段積みにしていた。
 本船は、風速約12m/sの北風が吹き、北方向からのうねりと波高約2.5mの波を左舷後方から受けながら南東進中、平成24年2月15日08時17分ごろ、小値賀町杓子岩南方沖に差し掛かった頃、波とうねりに船体を持ち上げられ右舷側に傾斜し、波の斜面を倒れ込むようにして滑り落ちた。
 本船は、海水が右舷舷側を越えて右舷甲板に流入したので、船長が機関の回転数を下げて減速するとともに、自動操舵から手動操舵に切り換えて右舵を一杯に取ったが、船体姿勢が回復することなく、右舷側を下にして横倒しの状態で転覆した。
 船長は、海に飛び込んだのち、本船にはい上がり、また、甲板員A及び甲板員Bは、船尾側にある船員室で仮眠中であったが、本船が右舷側に傾斜したので危険を感じて左舷側の外板上に脱出し、甲板員Bは、携帯電話(防水型)で118番通報して海上保安庁に救助を要請した。
 本船は、転覆して約3~5分経過したのち、横倒しの状態から船底を上にした態勢になった。
 乗組員は、転覆した船体につかまっていたところ、通報を受けて現場へ到着した長崎県及び海上保安庁のヘリコプターにより救助されて病院へ搬送され、船長及び甲板員Aが低体温症と診断された。
原因  本事故は、本船が、杓子岩南方沖を南東進中、左舷後方から波を受けて右舷側に傾斜したとき、海水が右舷舷側を越えて流入し、甲板に滞留して傾斜したため、転覆したことにより発生した可能性があると考えられる。
死傷者数 負傷:2人(船長及び甲板員)
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。