
| 報告書番号 | MA2013-2 |
|---|---|
| 発生年月日 | 2012年10月26日 |
| 事故等種類 | 沈没 |
| 事故等名 | 引船第一寺井丸沈没 |
| 発生場所 | 石川県珠洲市禄剛埼西方沖 禄剛埼灯台から真方位272°6.2海里付近 |
| 管轄部署 | 神戸事務所 |
| 人の死傷 | 負傷 |
| 船舶種類 | 引船・押船 |
| 総トン数 | 5~20t未満 |
| 報告書(PDF) | 公表 |
| 公表年月日 | 2013年02月22日 |
| 概要 | 本船は、船長、甲板員A及び甲板員Bが乗り組み、金沢港から七尾港へ向けて台船をえい航中、平成24年10月26日12時50分ごろ、石川県輪島市猿山岬西方沖において、左舷後方に船体傾斜が生じ、その応急措置のため、同航中の同じ会社の船に台船のえい航を引き継ぎ、14時30分ごろ石川県輪島市鹿磯漁港へ入港した。 本船は、運航者が本事故直前に船舶所有者から借りて運航しており、連絡を受けた運航者が、後部甲板上のマンホールを開放したところ、(空所に固定バラストを積載していた)船尾バラストタンクに深さ約1mの浸水を認め、手配した水中ポンプ2台を使用して約15分で排水を完了し、調査を行ったが浸水箇所の特定はできなかった。 運航者は、28日から能登沖の海上で荒天が予想されること、及び本事故当日の海上が平穏であったことから、船尾両舷のマンホールを開放し、水中ポンプ各1台を設置して回航を継続することを決定した。 本船は、17時15分ごろ鹿磯漁港を出港し、船長が操船を、甲板員Bが水中ポンプの作動状況の監視をそれぞれ行い、甲板員Aが交代要員となり、七尾港へ向けて航行した。 本船は、20時30分ごろ、輪島港北方沖において、甲板員Aが、操船を交代し、船長と甲板員Bは仮眠をとった。 甲板員Bは、交代前、水中ポンプの作動状況と浸水状態を確認したところ、作動状態は良好であり、浸水の深さは、ポンプが構造上から排水できる限界の約5cmであった。 本船は、輪島沖から徐々に高くなった波がブルワークの放水口から甲板上に入り込むようになった。 甲板員Aは、操船を交代して30分ほど経過した際、左舷船尾部が沈んでいるような感覚があったが、他の2人を起こすほどの状況ではないと思い、状況確認も、仮眠中の船長及び甲板員Bを起こすこともしなかった。 船長は、21時30分ごろ、目を覚まし、本船が左に傾いているように感じ、後部甲板の水中ポンプの状況を確認に行くと後部甲板は水船状態となり、甲板上の機関室の船尾側壁の立ち上がり部が腐食していたため、その腐食部から海水が機関室にも流れ落ちているのが確認できたので、甲板員Aに減速して陸岸へ向かうように指示するとともに、ビルジポンプを作動させた。 甲板員Bは、船が急に減速したために目を覚まし、後部甲板は水船状態となり、後部甲板上に置かれていた水中ポンプの電源コードが延長リールから抜けているのを確認したので、電源を接続して水中ポンプを再起動させた。 船長は、運航者に報告するとともに、118番通報を行い、総員退船に備え、救命浮器を準備した。 本船は、21時58分ごろ、左舷後部側から転覆して沈没し、全員が海へ投げ出された。 第五海工丸は、第九管区海上保安本部の救助協力要請を受けて現場海域付近を捜索中、23時02分ごろ、禄剛埼灯台から真方位272°約6.2Mにおいて、救命浮器につかまり漂流中の3人を発見して救助した。 船長は、全治2週間の左肋骨骨折を負った。 |
| 原因 | 本事故は、本船が、禄剛埼西方沖を船尾バラストタンク内への浸水を水中ポンプで排水しながら北東進中、ブルワークの放水口から海水が甲板上に流入して船尾バラストタンクに入り、また、水中ポンプの電源コードが延長リールから抜けて電源が失われ、同タンクの排水ができなくなったため、船尾部が水船状態となって機関室後壁の腐食部から海水が機関室に入り、左舷後部側に転覆し、沈没したことにより発生したものと考えられる。 |
| 死傷者数 | 負傷:1人(船長) |
| 勧告・意見 | |
| 情報提供 | |
| 動画(MP4) | |
| 備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。