JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2013-2
発生年月日 2012年06月18日
事故等種類 衝突
事故等名 貨客船兼自動車渡船琉球エキスプレス漁船住吉丸漁船住吉丸衝突
発生場所 大阪府高石市西方沖  大阪府堺市所在の堺浜寺南防波堤灯台から真方位263°7海里付近
管轄部署 神戸事務所
人の死傷
船舶種類 旅客船:漁船:漁船
総トン数 5000~10000t未満:5~20t未満:5~20t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2013年02月22日
概要  A船は、船長Aほか20人が乗り組み、旅客24人を乗せ、貨物約544t(車両49台)を積載し、船長が船橋におり、航海士A及び甲板手が当直して大阪府高石市西方沖を阪神港大阪区大阪南港フェリーターミナルに向けて針路043°(真方位、以下同じ。)速力18.2ノット(kn)(対地速力、以下同じ。)で航行中であった。
 航海士Aは、平成24年6月18日04時23分ごろ、右舷船首約10〜30°距離3M付近のところで、北西進中のC船の右舷とB船の左舷を接舷して船首部及び後部をワイヤ等でつないだ一体の船列(以下「C船列」という。)を含む漁船群(以下「C漁船群」という。)ほかを初認した。
 航海士Aは、漁船群が後続の漁船群になるほど密集していたので、後続の漁船群が接近する前に速やかに漁船群を通過したいと考え、04時28分ごろ、前方の船と船間距離があったC漁船群の前路を横切ろうとしてC漁船群に対し、昼間信号灯を照射するとともに、音響信号を吹鳴し、左舵10°を取って左転したところ、C船列以外の漁船は変針又は減速等したものの、C船列の針路及び速力に変化はなかった。
 航海士Aは、04時29分ごろ、C船列との距離が約0.3Mとなって衝突の危険を感じたものの、船長CがA船を見ているはずであるからC船列がA船を避航すると思い、C船列の船首を横切るため、発光及び音響信号を行いながら左舵10°で左転したが、C船列の針路及び速力に変化はなかった。
 船橋にいた船長Aは、とっさに左舵一杯を指示したが、04時30分ごろ、高石市西方沖において、速力約18.7knで左転中のA船の右舷船首部と北西進中のC船の左舷船首部が衝突した後、続いて左転中のA船の右舷フレアー及び右舷外板と右転中のC船のマスト及び左舷外板が衝突した。
 B船は、船長Bが1人で乗り組み、C船は、船長Cほか1人が乗り組み、機船船びき網によるしらす漁のため、C船列を構成し、後部甲板には船びき網の投入の準備を行い、阪神港神戸区の神戸空港南方沖の漁場に向けて岸和田港を出港し、針路約306°速力約10knで航行中であった。
 C船列で航行する場合の針路及び速力は、B船が主導し、C船は追従して航行していた。
 B船及びC船は、後部甲板上の装備を除き、ほぼ同型船であり、B船及びC船とも接舷している側の正横付近は見づらいので、右舷側正横付近の見張りはB船が、左舷側正横付近の見張りはC船が主に行っていた。
 船長Cは、A船を左舷方向に確認したが、自船が保持船であり、A船の方位が船尾方へ変化していたので、A船との衝突の虞はないと判断し、船長Bに報告せず、その後は、A船の動静を監視していなかった。
 船長B及び船長Cは、先行する手船が見えなくなる可能性があるため、船首方を先行する手船(探索船)の動向及び魚群探知機に注意して航行中、04時30分ごろ、突然、A船船首が、C船の左舷後方からC船の船首前方に出現した。
 船長Cは、A船に気付いた直後に機関を中立とし、船長Bは、機関を後進としたが、A船の船首部がB船の進路を遮るような状態でC船の左舷船首部とA船の右舷船首部とが衝突した。
 C船は、マスト部分がA船の右舷フレアーで押し潰されながらA船の右舷外板と接触し続け、その間、船体が、右舷側に最大約30°傾斜してB船と連結していたワイヤ等が切断した。
 僚船Dは、船長Dほか1人が乗り組み、C船の左舷後方60°(8時方向)付近を北西進中、船長Dが、D船の船首方を横切ったA船が、その後、左転してC船の左舷方から衝突した状況を目撃した。
原因  本事故は、高石市西方沖において、A船が北東進中、C船列が北西進中、航海士Aが、右舷船首方に視認したC船列の前路を左転して横切っていたところ、衝突の危険を感じたものの、C船列が避航するものと思い込み、引き続いてC船列の前路を通過しようとし、また、左舷正横付近の見張りを主に行っていた船長Cが、A船を左舷側に視認したものの、A船との衝突の虞はないものと思い、船長Bに報告せず、その後、A船の動静を監視しておらず、さらに、両船長が、船首方を先行する手船の動向及び魚群探知機に注意を向け、左舷前方の見張りを適切に行っていなかったため、両船が衝突したことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。