
| 報告書番号 | MA2013-1 |
|---|---|
| 発生年月日 | 2012年02月20日 |
| 事故等種類 | 衝突 |
| 事故等名 | 漁船第三豊丸漁船第101旭洋丸漁船第十一旭洋丸漁船万代丸衝突(漁具) |
| 発生場所 | 徳島県阿南市蒲生田岬南南東方沖 蒲生田岬灯台から真方位153°9.2海里付近 |
| 管轄部署 | 神戸事務所 |
| 人の死傷 | 負傷 |
| 船舶種類 | 漁船:漁船:漁船:漁船 |
| 総トン数 | 5~20t未満:5t未満:20~100t未満:100~200t未満 |
| 報告書(PDF) | 公表 |
| 公表年月日 | 2013年01月25日 |
| 概要 | A船は、船長A及び甲板員2人が乗り組み、平成24年2月20日17時00分ごろ、まき網船団(以下「A船団」という。)を構成する僚船7隻と共に和歌山県御坊市塩屋漁港を出港して蒲生田岬南南東方の漁場に向かい、19時00分ごろから蒲生田岬南南東方10M付近で1回目の操業を行った。 船長Aは、1回目の漁獲物(アジ約20t)の積込みを終えて塩屋漁港に帰港するため、操舵室で椅子に腰を掛けて手動操舵に当たり、マスト灯、両舷灯及び船尾灯を表示したほか、甲板員が作業をしていたので船首甲板を照らす作業灯4個を点灯し、A船団の東方でB船が所属するまき網船団(以下「B船団」という。)が操業していたので、B船団の南方を通過するために針路を約135°(真方位、以下同じ。)として約8.5ノットの速力で航行した。 船長Aは、左舷前方でB船団のC船とD船とが作業灯を点灯して接近した状態で揚網作業している状況を目視により確認しながら航行した。 船長Aは、通常、網船から運搬船への漁獲物の積込みを終えるまでの間、補助船(作業船)などが網船などをロープ(以下「こぎ綱」という。)で引いていること(以下「うらこぎ」という。)を知っており、船首を東方に向けたC船の南側に船首を西方に向けたD船が接近して揚網作業をしていたので、D船の左舷側(南方)50m付近にうらこぎ船がいるのではないかと思って捜したが、うらこぎ船が見当たらなかった。 船長Aは、発進して約1分後にD船を左舷正横付近に見るようになった頃、C船及びD船に注意を向けてD船のうらこぎ船がいないものと思い、左転して塩屋漁港に向ける針路を約090°とし、D船の南方100m付近を航行中、A船の船首部とD船を引いていたB船のこぎ綱とが衝突した。 船長Aは、こぎ綱と衝突したことに気付かずに東進中、A船の船首付近にB船のこぎ綱が張ったのが見えたので、直ちに機関を後進にかけたところ、無線機から転覆した旨の声が聞こえ、A船の右舷側に船底を上にした状態で転覆しているB船を視認した。 船長Aは、A船のプロペラにB船のこぎ綱が絡んだので、機関を停止して漂泊した。 B船は、B船団の網船であるC船に無人で引かれ、船団船4隻と共に徳島県阿南市橘港を出港して蒲生田岬南南東方の漁場に向かい、C船に乗船した漁ろう長BがB船団の操業全般を指揮し、18時30分ごろから蒲生田岬南南東方10M付近で1回目の投網を開始した。 操縦者Bは、出港時にはC船に乗船していたが、投網開始前に他の乗組員2人と共にB船に移乗し、漁網の外で投網の補助作業を行うとともに、D船にこぎ綱を取る準備を行った。 漁ろう長Bは、漁網を直径約300mの円形に投入した後、B船に乗船させた乗組員2人をC船に移乗させて揚網作業に当たらせ、操縦者BにB船の操船を行わせた。 C船は、漁網の北側に、D船が漁網の南側にそれぞれ就いて揚網を始め、灯船1隻がC船のうらこぎを始めた。 B船は、マスト灯、両舷灯、船尾灯及び紅色全周灯を表示したほか、黄色回転灯及び船首甲板を照らす作業灯2個を点灯し、船首を西方に向けたD船の左舷側にV字形に取ったロープにB船から出した直径約28mm及び長さ約200mの浮揚性がある化学繊維製のロープをつなぎ、機関回転数毎分1,200としてD船の南南東方230m付近でうらこぎを始めた。 漁ろう長Bは、操業全般を指揮しながら見張りを行っていたところ、C船とD船との距離が約10mとなって漁獲物の積込みを始めようとしたとき、衝突の約30秒前にD船とB船との間に向けて東進するA船の作業灯を視認したので、汽笛を吹鳴してサーチライトを照射するとともに、無線で操縦者Bに対し、A船の接近を知らせて海に飛び込む準備をしておくように指示した。 操縦者Bは、手動操舵に就いてうらこぎ中、D船とB船との間に向けて東進するA船を視認した直後に漁ろう長Bからの無線連絡を聞いたが、21時10分ごろ、蒲生田岬灯台から153°9.2M付近において、B船の船尾から約110mの所のこぎ綱にA船の船首部が衝突した。 B船は、A船がこぎ綱に衝突した後も航行を続けたので、こぎ綱が急激に緊張し、左舷船尾方に引かれて右舷側に転覆した。 操縦者Bは、転覆したB船の操舵室に閉じ込められたが、操舵室左舷側の出入口から脱出し、海面に浮上したところをA船団の灯船に救助された。 漁ろう長Bは、B社に本事故の発生を連絡し、海上保安庁への通報を依頼した。 操縦者Bは、病院に搬送され、溺水と診断されて8日間入院した。 B船は、21日昼ごろから引き船により転覆した状態でえい航されたが、えい航の途中に沈没した。 |
| 原因 | 本事故は、夜間、蒲生田岬南南東方沖において、A船が東進中、B船がD船にこぎ綱を取って南南東方に向けてうらこぎ中、船長Aが、D船のうらこぎ船はいないものと思い込み、左舷前方のC船及びD船に注意を向け、右舷前方の見張りを行っていなかったため、A船とB船のこぎ綱とが衝突したことにより発生したものと考えられる。 |
| 死傷者数 | 負傷:1人(第101旭洋丸操縦者) |
| 勧告・意見 | |
| 情報提供 | |
| 動画(MP4) | |
| 備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。