
| 報告書番号 | MA2012-12 |
|---|---|
| 発生年月日 | 2012年05月27日 |
| 事故等種類 | 死傷等 |
| 事故等名 | 漁船金刀比羅丸乗組員死亡 |
| 発生場所 | 不明(大阪府関西国際空港の北方約1~1.5km沖~兵庫県尼崎市東海岸町の岸壁付近の間) |
| 管轄部署 | 神戸事務所 |
| 人の死傷 | 死亡 |
| 船舶種類 | 漁船 |
| 総トン数 | 5~20t未満 |
| 報告書(PDF) | 公表 |
| 公表年月日 | 2012年12月21日 |
| 概要 | 本船は、船長が1人で乗り組み、平成24年5月27日05時00分ごろ、底びき網漁を行う目的で僚船24隻と共に大阪府岸和田市岸和田漁港を出港した。 本船が行う底びき網漁は、船体中央部両舷から張り出した胴の棒と呼称する丸太様の木材にワイヤを掛けて約150m延出し、開口板を取り付けて化学繊維製の引き綱を約75mつなぎ、その先に長さ約20mの網を取り付けた漁具を使用して行い、1回の操業は、投網に約5分、えい網に約30~40分及び揚網に約5分の計約40~50分を要するものであり、えい網中の対地速力は、約2.8~3.5ノット(kn)であった。 船長は、出港後、関西国際空港北方沖~兵庫県神戸市南方沖に設置されたのり養殖漁業区画の東方沖の海域(以下「本船操業海域」という。)において操業を行った。 本船は、船体中央部船首寄りに操舵室が設けられ、船体中央部船尾寄りに漁網巻き揚げ用のローラー(以下「本件ローラー」という。)が設置され、本件ローラーの右舷側に操舵輪並びに‘クラッチ及び機関回転数増減レバー’(以下「操縦レバー」という。)がそれぞれ設置されて操舵輪等の設置場所(以下「後部操船場所」という。)で操船が行えるようになっており、その前方にGPSプロッター(以下「本件GPS」という。)が設置されていた。船長は、操業中のほか、岸和田漁港と漁場間との往復も後部操船場所で操船を行っており、操舵室ではめったに操船を行っていなかった。 僚船Aの船長(以下「船長A」という。)は、12時30分ごろ、無線を使って本船の船長に呼び掛け、本船が関西国際空港の北方約1~1.5km沖で操業していることを聞き、漁模様が余り良くないこと、あと1回操業したら帰港することを互いに話し合った。 船長Aは、操業を終えて帰港することとし、13時00分ごろ、本船に無線で呼び掛けたが、船長が応答しなかったので、ちょうど網を揚げているのだと思い、僚船Aが岸和田漁港に向けて帰港を開始した際、本船が違う方向(北方)に向けて航行し、僚船Aから離れて行くのを認めた。 本船は、船長が引き綱や網と共に本件ローラーのドラムに巻かれた状態となって尼崎市東海岸町の岸壁に船体を接触させながら漂流しているところを付近の釣り人に発見され、釣り人が118番通報した。本船は、その後、東海岸町の岸壁を伝って北方に流され、同岸壁に設置された消波ブロックに漂着した。 第五管区海上保安本部は、14時33分ごろ118番通報を受けて西宮海上保安署に指令を出した。西宮海上保安署は、14時45分ごろ尼崎市消防局及び尼崎南警察署に通報した。 尼崎市消防局は、救助隊等に指令を出し、救助隊は、15時07分ごろ本船が漂着していた東海岸町の岸壁に到着して主機がかかっている状態の本船に乗り込み、その後に到着した海上保安官が主機を停止させた後、本件ローラーのドラムに巻き取られた引き綱や網を切断して船長を救出した。船長は、その後、尼崎南警察署に搬送されて尼崎市内の病院の医師によって死亡が確認され、窒息による死亡と検案された。 僚船の船長は、本船が15時を過ぎても帰港しないので、何かあったと思い、僚船B及び僚船Cで捜索することとし、本船の近くで操業していた船長Aを僚船Bに、僚船Dの船長を僚船Cにそれぞれ同乗させ、15時20分ごろ本船操業海域付近に向けて出港した。 僚船Cは、本船操業海域の南側に向けて西北西進する途中、神戸海上保安部に問い合わせて小型漁船が東海岸町の岸壁に漂着していることを聞き、僚船Bに無線で連絡し、西宮防波堤東端付近で合流して漂着場所に向かった。 僚船B及び僚船Cは、漂着場所に到着したのち、船長A及び僚船Dの船長を上陸させ、両船長は、海上保安官等から説明を聞き、救出時の写真を見て船長であることを確認した。 船長A及び僚船Dの船長は、その後、本船を操船して岸和田漁港に帰港した。 |
| 原因 | 本事故は、本船が、関西国際空港の北方約1~1.5km沖で操業を行った後に揚網作業中、船長が本件ローラーに身体全体が巻き込まれたため、発生したものと考えられる。 |
| 死傷者数 | 死亡:1人(船長) |
| 勧告・意見 | |
| 情報提供 | |
| 動画(MP4) | |
| 備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。