JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2012-12
発生年月日 2011年10月23日
事故等種類 衝突
事故等名 引船第八英祥丸フローティングドック美保号漁船第一美代丸衝突
発生場所 青森県中泊町小泊岬西北西方沖  小泊岬北灯台から真方位287°2.6海里付近
管轄部署 仙台事務所
人の死傷
船舶種類 引船・押船:その他:漁船
総トン数 100~200t未満:500~1600t未満:5~20t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2012年12月21日
概要  A船は、船長A及び航海士Aほか4人が乗り組み、無人のB船をえい航してA船引船列を構成し、A船には、連掲したマスト灯3個、両舷灯、船尾灯及び引船灯を、B船には、両舷灯、船尾灯のほか赤色及び白色計8個の点滅灯をそれぞれ点灯し、航海士Aが、平成23年10月23日00時~04時の単独の船橋当直に就き、小泊岬西北西方沖を針路約027°(真方位)及び対地速力約5ノット(kn)で自動操舵により航行した。
 航海士Aは、A船の船首方を左方に3隻が通過したので、海図で付近の漁港を確認したのち、右舷前方にC船の白色及び紅色の灯火を視認し、レーダーで約2MにC船を探知したが、C船がA船引船列を認めて避けてくれるものと思い、C船の動きを監視しながら針路及び速力を保持して航行した。
 航海士Aは、C船が右舷正横1M付近に接近したとき、C船の紅色及び緑色の灯火を視認し、A船引船列の存在を気付かせるため、C船を探照灯で照射した。
 航海士Aは、右舷後方付近でC船の白色及び緑色の灯火を視認してC船が変針したと思ったが、B船に向けて航行しているように見えたので、C船に対して探照灯で5回点滅した後、B船及びC船を交互に照射した。
 航海士Aは、C船の灯火をB船の正船尾方に視認したので、A船引船列の後方を通過したと思い、衝突したことに気付かなかった。
 航海士Aは、04時20分ごろ接近したC船の僚船からC船がB船と衝突したことを聞いて衝突したことを知り、僚船に連絡先を伝え、A船引船列は岩手県釜石市釜石港へ向かった。
 船長A及び航海士Aは、本事故後、B船の右舷外板に擦過傷があることを確認した。
 C船は、船長Cほか1人が乗り組み、船長Cが単独で船橋当直に就き、マスト灯、両舷灯、船尾灯を点灯し、対地速力を6~7knで小泊岬北方沖を自動操舵により西進した。
 船長Cは、小泊岬西北西方沖において、1.5Mレンジとしたレーダーにより船首方に船舶の映像を認めず、小泊岬西方沖の僚船の灯火しか見えなかったので、前方に他船はいないと思い、操舵室の床に座り、僚船の漁獲量の記録簿(以下「本件記録簿」という。)に明日も記入できるよう枠を書き入れ始めた。
 船長Cは、操舵室の右舷側のドアを開け、左舷側を向いて座り、時折、振り向いて右舷側のドアから見える範囲に船舶がいないか確認していたが、本件記録簿の準備に夢中となり、前方の見張りを行っていなかったので、左舷前方から接近するA船引船列に気付かずに同じ針路及び速力で航行した。
 船長Cは、03時45分ごろ衝撃を受けて立ち上がり、船首が黒い壁に当たったように見えたので、機関を後進とし、その場を離れた。
 船長Cは、C船に浸水していないことを確認したが、損傷状態が分からなかったので、無線で僚船に他船と衝突したことを伝え、船名を確認するように依頼し、中泊町小泊漁港に帰港した。
 船長Cは、帰港後、僚船から本事故発生場所付近を航行していたのは、A船引船列であることを聞いた。
原因  本事故は、夜間、小泊岬西北西方沖において、A船引船列が北北東進中、C船が西進中、航海士Aが、C船がA船引船列を避けてくれるものと思い込み、針路及び速力を保持して航行し、また、船長Cが、前方に他船はいないものと思い込み、操舵室の床に座り、本件記録簿の準備に意識を集中し、見張りを行っていなかったため、B船とC船とが衝突したことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。