JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2012-11
発生年月日 2011年09月23日
事故等種類 乗揚
事故等名 ケミカルタンカー隆政丸乗揚
発生場所 広島県大崎上島町大崎上島東岸  大崎上島町所在の木江港宇浜防波堤南灯台から真方位027°3,700m付近
管轄部署 広島事務所
人の死傷
船舶種類 タンカー
総トン数 200~500t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2012年11月30日
概要  本船は、船長及び航海士ほか3人が乗り組み、アセトン約800tを積載し、船首約3.4m、船尾約4.2mの喫水で阪神港から広島県大竹市大竹港に向けて航行中、航海士が、平成23年9月23日19時35分ごろ岡山県笠岡市の白石瀬戸で船長と船橋当直を交代し、単独の船橋当直に就いた。
 本船の船橋には、航海コンソールがあって左舷側に操舵装置、右舷側に機関操縦レバーがあり、機関操縦レバーの左側に居眠り防止装置の警報解除のボタンが設置されていた。
 航海士は、白石瀬戸、広島県尾道市の布刈瀬戸を航行し、尾道市所在の高根島灯台から012°(真方位、以下同じ。)約0.6海里の変針予定場所に達したところ、広島県竹原市大久野島の近くに右舷灯を見せる反航船1隻を認めたので、右舷を対して通過しようと思い、針路をいつもより南方に向ける約236°として約11ノットの対地速力で自動操舵により大久野島東方の三原瀬戸を航行した。
 航海士は、三原市幸崎の南方沖を航行していたところ、反航船1隻のほかに船がいなかったことから、緊張感が薄れて眠気を感じるようになり、反航船が通過したのち、予定針路に戻そうとしたが、大久野島の南方にゆっくりと南下する漁船を認めて同針路で航行を続け、その船首方を通過して間もなく、航海コンソールの手前に立って左手で航海コンソールの手すりをつかみ、航海コンソールに寄り掛かった状態で居眠りに陥った。
 航海士は、居眠り防止装置の警報解除のボタンに右手をいつしか載せ、居眠りを続けていたが、目を覚まして前方に島影を認め、急ぎ機関を中立としたものの、22時50分ごろ本船が大崎上島東岸の浅所に乗り揚げた。
 船長は、衝撃を感じて直ちに昇橋し、浸水、油漏れなどがないことを確認したのち、機関を後進にかけたが離礁することができず、海上保安庁に通報した。
 本船は、翌24日07時30分ごろタグボートに引かれて離礁し、木江港沖まで自力航行して投錨したのち、ダイバーにより潜水調査を行った結果、船底に破口や亀裂がなかったので、大竹港に向かった。
原因  本事故は、夜間、本船が、三原瀬戸を自動操舵で西南西進中、単独で船橋当直中の航海士が、反航船と右舷を対して通過しようとして予定針路を変更したものの、反航船の通過後に南下する漁船を認めて予定針路に戻さずに航行していたところ、居眠りに陥ったため、大崎上島東岸に向けて航行することとなり、同島東岸の浅所に乗り揚げたことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。