JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MI2012-10
発生年月日 2011年11月19日
事故等種類 運航不能(船体傾斜)
事故等名 貨物船東翔丸運航不能(船体傾斜)
発生場所 高知県土佐清水市足摺岬西方沖  足摺岬灯台から真方位263°11.2海里付近
管轄部署 神戸事務所
人の死傷
船舶種類 貨物船
総トン数 200~500t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2012年10月26日
概要  本船は、船長ほか5人が乗り組み、関門港若松区において鋼材(H鋼)約1,600tを積載(満載状態)し、船首約3.65m、船尾約4.80mの喫水で平成24年11月18日19時10分ごろ同港を出港して京浜港に向かった。
 本船は、19日05時50分ごろ高知県宿毛市沖ノ島の南方約2Mを通過し、船長が、07時10分ごろ、沖ノ島と足摺岬との中間付近において船橋当直に就き、約12~12.5ノット(kn)の速力で足摺岬沖に向けて東進した。
 船長は、南南西風と波浪を右舷後方から受けながら航行していたので、横揺れはしていたが、通常の荒天航海と変わりないと思い、自動操舵により足摺岬西方沖を東進中、07時30分ごろ、右舷側から波を受けて船体が左舷側に大きく傾斜した際、貨物倉内で積荷のH鋼が左舷側に崩れ、本船が左舷側に最大で約30°傾斜した。
 船長は、左舷側への傾斜が戻らないので、風上に向けて微速力前進で南進しながら、右舷側の1番バラストタンクに約30分を要して海水約72tを入れるとともに、船首の清水タンクに入れていた清水約30tを約35分要して排水したところ、左舷側への傾斜が少なくなったので、更に右舷側の3番バラストタンクに約10分を要して海水約30tを入れて調整し、08時10分ごろ傾斜がなくなった。
 船長は、08時15分ごろ運航会社に関門港若松区に引き返す旨の連絡を行い、約4~5knの速力で左舷前方から強風と波浪を受けながら関門港に向けて西進中、08時55分ごろ、貨物倉内で大きな音がして右舷側に約40°傾斜し、本船に転覆の危険が生じたので、直ちに乗組員全員を操舵室に集合させて救命胴衣を着用させ、08時58分ごろ海上保安庁に救助を要請した。
 船長は、一等航海士を手動操舵に就け、南南西風に向かって微速力で南進しながら、操舵室からの遠隔操作で右舷側の1番及び3番バラストタンクから排水し、左舷側の1番及び2番バラストタンクに海水を入れたところ、右舷側に傾斜したのち、約1時間後には、右舷側への傾斜が約15°まで戻った。
 本船は、10時19分ごろ巡視艇と会合し、以後、同巡視艇の伴走警戒のもと、約15°右舷側に傾斜した状態で自力航行して11時25分ごろ土佐清水市足摺港に入港した。
 本船は、入港後にバラスト調整を行った結果、右舷側への傾斜は約7°となった。
原因  本インシデントは、本船が、足摺岬西方沖を西進中、左舷前方から風と波浪を受けて横揺れした際、積荷のH鋼が右舷側に崩れたため、船体が右舷側に約40°傾斜したことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。