JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2012-9
発生年月日 2012年04月15日
事故等種類 火災
事故等名 漁船勢作丸火災
発生場所 長崎県対馬市厳原港東方沖  対馬市所在の耶良埼灯台から真方位100°9.4海里付近
管轄部署 門司事務所
人の死傷
船舶種類 漁船
総トン数 5~20t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2012年09月28日
概要  本船は、船長ほか甲板員1人が乗り組み、平成24年4月15日18時10分ごろ対馬市大船越漁港を出港し、19時20分ごろ、厳原港東方沖の漁場に到着したのち、集魚灯を点灯するとともに、パラシュート型シーアンカーを投入していか釣り漁を始めた。
 船長は、操舵室の椅子に座って携帯電話で友人と会話をしたのち、20時35分ごろ、右舷側中央付近の集魚灯が1灯点滅しているのに気付き、船首甲板上にいた甲板員に操舵室後方の機関室に行って様子を見てくるよう指示し、操舵室から右舷側甲板通路に出た。
 船長と甲板員は、機関室頂部に設置された船首側の機関室通風筒(以下「船首側通風筒」という。)出口に通常見えない微かな明かりと煙を認めたが、船尾側の機関室通風筒(以下「船尾側通風筒」という。)及び煙突の船首方にある発電機用通風筒の出口には明かりと煙を認めなかった。
 甲板員は、機関室後方の賄い室の船尾側引き戸を開けたとき、賄い室内に煙を認めなかったが、大量の煙が甲板通路から船尾方に流れてきたので危険を感じ、賄い室内に置いていた救命胴衣を持って風上の船首甲板に向かった。
 一方、船長は、船首側通風筒の微かな明かりが次第に明るくなって炎と分かったので、火災と判断して操舵室に戻り、発電機の電源スイッチを切って操縦ハンドルを中立としたのち、僚船に救援を要請し、20時45分ごろ海上保安庁に通報した。
 船長は、救命胴衣を持って操舵室を出たものの、炎と大量の煙で消火作業ができず、甲板員と船首甲板に退避したが、このときバッテリーから給電されている右舷側甲板通路の非常灯は点灯した状態であった。
 船長と甲板員は、21時30分ごろ救助のため、本船へ接舷した僚船に移乗した。
 巡視船は21時55分ごろ、巡視艇は22時23分ごろ、現場に到着して放水による消火作業をそれぞれ行い、16日01時22分ごろ、消火作業が終了したが、本船は、船首部を約1m海面上に残して半水没状態となった。
 本船から流出した浮流油は、油膜状態であったので巡視艇等の航走拡散によって消滅した。
 船長及び甲板員が移乗した僚船は、16日02時00分ごろ現場を出発し、03時00分ごろ厳原港に入港した。
 本船は、手配したクレーン船に吊り上げられて搭載され、17日13時30分ごろ厳原港に入港したが、焼損が激しいので解撤された。
原因  本事故は、夜間、本船が対馬東方沖でいか釣り漁中、機関室内から出火したことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。