JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2012-9
発生年月日 2011年08月23日
事故等種類 衝突
事故等名 引船丸友丸はしけ○K812漁船漁吉丸衝突
発生場所 兵庫県姫路市家島北方沖  姫路市所在の尾崎鼻灯台から真方位000°3,200m付近
管轄部署 神戸事務所
人の死傷
船舶種類 引船・押船:非自航船:漁船
総トン数 5~20t未満:500~1600t未満:5t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2012年09月28日
概要  A船は、船長Aほか1人が乗り組み、全長約40mのはしけのB船及びもう1隻のはしけ2隻を縦列でえい航し、A船の船尾から最後尾のB船の船尾までの距離が約170mのA船引船列を構成しており、A船にマスト灯2個、両舷灯、船尾灯、引き船灯及び黄色回転灯を、はしけ2隻には、両舷灯、船尾灯及び白色点滅灯をそれぞれ表示し、船長Aが、船橋当直に就いて平成23年8月23日00時20分ごろ、家島諸島西端にある姫路市院下島北方約2海里(M)において、針路を約076°(真方位、以下同じ。)に定め、速力約3.2ノット(kn)(対地速力、以下同じ。)で自動操舵により姫路港の港口に向けて航行した。
 船長Aは、椅子に腰を掛けて見張りを行い、01時20分ごろ、3Mレンジとしたレーダーで右舷前方に漁船らしい約4~5隻の船舶を探知し、その後、右舷船首20~30°2M付近にレーダー画面の船首輝線に最も近かったC船の両舷灯を視認した。船長Aは、C船の緑灯(右舷灯)のみが視認できるようになり、C船と右舷を対して通過する態勢となったので、C船に注意を向けて東北東進した。
 船長Aは、C船がA船の右舷正横約40~50mを通過したのでC船の見張りをやめ、前方を向いて航行を続けていたところ、02時10分ごろ、家島北方沖において、B船とC船とが衝突した。
 船長Aは、衝突したことに気付かずに航行を続けていたところ、B船の乗船者から他船と衝突したようだとの電話連絡があり、衝突の相手船が確認できなかったが、携帯電話で海上保安庁に118番通報し、04時20分ごろ姫路港に入港した。
 C船は、船長Cが1人で乗り組み、8月22日15時45分ごろから家島諸島北方約2M沖の漁場において小型機船底びき網漁の操業を行い、約1時間掛けて概ね東西方向にえい網する操業を繰り返していたが、夜間となり、マスト灯、両舷灯及び船尾灯を表示したほか船尾甲板を照らす作業灯を点灯し、レーダーを作動させていた。
 船長Cは、針路約302°及び速力約2.5knとして自動操舵によりえい網中、船首甲板で前回の漁獲物の選別作業を行っていたとき、23日01時55分ごろ、左舷船首20°2,000m付近にA船の灯火及びA船の後方にも灯火を視認してA船がえい航していることを知り、A船引船列とは距離が離れているので、接近するまでにはA船引船列が船首方を通過していると思い、選別作業を終えたのち、次の投網時に袋網を取り換えるため、船尾甲板に移動し、物入れから袋網を取り出して準備を始めた。
 船長Cは、船尾甲板への移動時と袋網を取り出した時にそれぞれA船引船列の灯火を視認したが、A船引船列がC船の船首方を通過するものと思い、02時00分ごろからは、操舵室の後方で袋網の取り換え準備に専念し、A船引船列に対する見張りを行っていなかった。
 C船は、02時10分ごろ、尾崎鼻灯台から000°3,200m付近において、C船の船首部とB船の右舷船尾部とが衝突した。
 船長Cは、A船引船列が航行を続けたのでA船に連絡することができず、船首部の損傷状況を確認して揚網したのち、姫路港に向けて帰航中、同港付近にいた巡視艇に事故の発生を通報した。
原因  本事故は、夜間、家島北方沖において、A船引船列が東北東進中、C船がえい網しながら西北西進中、船長Aが、緑灯(右舷灯)のみを見せたC船がA船の右舷正横付近を通過したので、C船がA船引船列の船尾方を通過するものと思い込み、適切な見張りを行わず、また、船長Cが、A船引船列がC船の船首方を通過するものと思い込み、船尾甲板で袋網の準備に意識を集中し、見張りを行っていなかったため、B船とC船とが衝突したことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。