
| 報告書番号 | MA2012-8 |
|---|---|
| 発生年月日 | 2010年12月03日 |
| 事故等種類 | 浸水 |
| 事故等名 | 旅客船びっぐあーす浸水 |
| 発生場所 | 長崎県長崎市伊王島西北西方沖 伊王島灯台から真方位283°11.6海里付近 |
| 管轄部署 | 長崎事務所 |
| 人の死傷 | |
| 船舶種類 | 旅客船 |
| 総トン数 | 200~500t未満 |
| 報告書(PDF) | 公表 |
| 公表年月日 | 2012年08月31日 |
| 概要 | 本船は、船長及び一等航海士ほか2人が乗り組み、旅客77人を乗せ、平成22年12月3日08時00分ごろ長崎県新上五島町鯛之浦漁港を出港した。 船長は、船橋当直を2人当直による45分交替の2直制とし、出港後、機関回転数毎分約1,930の速力(対地速力、以下同じ。)約32~33ノット(kn)で手動操舵により長崎県長崎市長崎港に向かった。 船長は、長崎港に向かう基準針路は約110°(真方位、以下同じ。)であったが、西寄りの風が強いときは長崎港への航路の半ばまでは五島列島の島影になって比較的静穏であっても、長崎港口で波が高くなり基準針路での航行が困難となるため、あらかじめ波による船体動揺及び長崎港への入港針路を勘案し、針路を調整して航行するようにしていた。 一等航海士は、08時45分ごろ長崎港への航路の中間付近において、船長から船橋当直を引き継いだとき、本船は、風速約8~10m/sの北西風及び波高約2.0~2.5mの波を左舷後方から受けながら、速力約27~30kn及び針路約080°で長崎港口の北北西方約5Mに位置する長崎市三重式見港方向に向けて航行していた。 本船は、08時50分ごろ、伊王島灯台から283°11.6M付近を航行中、右舷前方に大波が出現したが、追い波の頂上付近にあり、波と風の影響を受けて右回頭状態にあった。 一等航海士は、とっさにスロットルを下げて減速操作を行うとともに左舵を取ったが、本船は、崩れた大波に船首が突っ込み、大量の海水をすくい上げて船橋前面は一瞬視界のきかない状況になった。 船長は、船橋当直を引き継いだ後も機関長及び一等機関士と共に船橋内の椅子に腰を掛けており、海水をすくい上げたことによる大きな衝撃は感じなかったが、右舷側からわずかに物が壊れるような音が聞こえた。 船長は、船橋前面の視界が回復したのち、前部甲板上に大量の海水が滞留し、船首が少し下がったように感じたが、海水が排出されるに従って通常の状態に戻ったので、機関長及び一等機関士に対して客室の状況を確認するよう指示するとともに、自らは一等航海士と共に操船及び船体状況の確認に当たった。 船長は、機関長からの報告により、1階客室右舷前部の非常水密扉の圧壊及び同扉からの1階客室への浸水を知ったので、直ちに本件会社へ電話連絡し、目的地を変更して09時50分ごろ長崎県西海市瀬戸港に入港した。 事故発生の情報は、本船に乗船していた警察、消防の職員がそれぞれの機関に通報した。 |
| 原因 | 本事故は、本船が、長崎港に向けて東進中、右舷前方に出現した波を避けようとしたが、船首に波を受けたため、船首がすくい上げた海水により非常水密扉が圧壊し、同扉から船内に浸水したことにより発生したものと考えられる。 |
| 死傷者数 | なし |
| 勧告・意見 | |
| 情報提供 | |
| 動画(MP4) | |
| 備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。