
| 報告書番号 | MA2012-7 |
|---|---|
| 発生年月日 | 2011年03月09日 |
| 事故等種類 | 転覆 |
| 事故等名 | 漁船第八三生丸転覆 |
| 発生場所 | 福井県越前町越前漁港道口沖防波堤沖 越前町所在の越前港大樟沖防波堤灯台から真方位086°160m付近 |
| 管轄部署 | 神戸事務所 |
| 人の死傷 | |
| 船舶種類 | 漁船 |
| 総トン数 | 5t未満 |
| 報告書(PDF) | 公表 |
| 公表年月日 | 2012年07月27日 |
| 概要 | 本船は、船長及び甲板員2人(以下「甲板員A」及び「甲板員B」という。)が乗り組み、昼ごろから海が時化てヤリイカ用の定置網を揚収できなくなることが予想されたので、定置網揚収のため、平成23年3月9日08時00分ごろ越前漁港の定係地を出港し、道口沖防波堤中央の屈曲部の東側に設置していた定置網に到着したのち、本船の右舷側から定置網の揚収を始めた。 船長ほか2人は、南南東風が吹き、南南西方から波高約1.5mの波が打ち寄せる状況下で定置網の揚収を行い、かかっていたヤリイカ約20kgをいけすに入れ、海水を含んで約100kgの重さとなった定置網を船首甲板の右舷側に舷縁の上端よりは低い位置まで積載して定置網の揚収を約30分で終了し、船体は傾斜もなく安定した状態であった。 船長は、右舷船尾部に座って船外機の操作に当たり、甲板員Aを左舷船首部に、甲板員Bを左舷中央部に座らせ、網を固縛せずに道口沖防波堤の屈曲部付近を発進し、船尾部に設置していたビルジ排出用のポンプを作動させ、同防波堤の沖側に積み上げられた消波ブロックから約15m隔て、風波を船尾方から受けながら約2~3ノットの対地速力で道口沖防波堤北端と大樟沖防波堤南端との間に向けて北北西進した。 船長は、南南西風が強くなって風速が約10m/sに達し、波も高くなったのを見て危険を感じたが、波があって増速することができず、道口沖防波堤に沿って航行中、08時42分ごろ~43分ごろ、左舷船尾方から波高約3mの波が打ち込み、船長の膝の高さまで浸水した。 本船は、海水が滞留していたところに2回目の波が打ち込んで船尾部から沈み始めたので、甲板員Aが合羽を脱ぐように指示し、甲板員A及び甲板員Bは合羽と長靴を脱いだが、船長は船首方へ移動しながら合羽の上衣を脱いだとき、08時45分ごろ、3回目の波が打ち込んで船尾部が更に沈み、右舷側に傾斜して網が右舷側から海に出たのとほぼ同時に右舷側に転覆し、乗組員全員が海に投げ出された。 甲板員A及び甲板員Bは、道口沖防波堤の消波ブロックに泳ぎ着き、船長は、海中で合羽の下衣と長靴を脱いで消波ブロックに泳ぎ着き、全員が消波ブロックから道口沖防波堤上に上がった。 船長は、陸岸にいた者に救助を求め、09時15分ごろ、これに気付いた者が漁業関係者に通報した。 乗組員全員は、越前町水難救済所に所属する救助船(漁船)によって救助され、10時18分ごろ救急車に引き継がれて病院に搬送された。 本船は、波により消波ブロックに打ち寄せられて大破した。 |
| 原因 | 本事故は、海上強風警報が発表された状況下、本船が、揚収した定置網を積載して越前漁港の道口沖防波堤の沖側を北北西進中、船尾方から波高約3mの波が打ち込んだため、浸水して転覆したものと考えられる。 |
| 死傷者数 | なし |
| 勧告・意見 | |
| 情報提供 | |
| 動画(MP4) | |
| 備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。