
| 報告書番号 | MA2012-6 |
|---|---|
| 発生年月日 | 2011年07月18日 |
| 事故等種類 | 死傷等 |
| 事故等名 | 漁船幸漁丸乗組員負傷 |
| 発生場所 | 長崎県新上五島町中通島津和崎鼻南南西方沖 津和崎灯台から真方位203°4,200m付近 |
| 管轄部署 | 長崎事務所 |
| 人の死傷 | 負傷 |
| 船舶種類 | 漁船 |
| 総トン数 | 5~20t未満 |
| 報告書(PDF) | 公表 |
| 公表年月日 | 2012年06月29日 |
| 概要 | 本船は、船長及び甲板員5人(以下「甲板員A」~「甲板員E」という。)が乗り組み、長崎県五島列島西方沖の漁場で平成23年7月17日の日没までごち網漁を操業したのち、中通島津和崎鼻付近の錨地に向けて航行した。 船長は、台風が接近していたので翌日の操業を翌朝の天気を見てから決めることとし、津和崎鼻南南西方沖の水深約20mの場所で重さ約50㎏の錨を入れ、約2mのチェーン及び直径約22㎜の合成繊維製ロープを連結した錨索を約100m繰り出したのち、右舷船尾のビットに係止して錨泊した。 船長は、18日早朝、風が強く吹いていたので操業を断念して長崎県佐世保市相浦港に帰港することとし、甲板員Aに揚錨作業を行うよう指示して06時35分ごろ揚錨を始め、操舵室後方の出入口に立って船尾方を向き、錨索の揚がり具合を確認していた。また、甲板員B、甲板員C及び甲板員Dは、後部甲板で漁網の点検及び修理作業を行い、甲板員Eは、前部甲板左舷側で引き綱の点検を行っていた。 甲板員Aは、操舵室外側の右舷側面前部に設置された電動油圧式のワーピングドラム(以下「本件ドラム」という。)の船首側に立ち、右舷船尾ブルワークに立てた2本のロープガイドの間に通された錨索を本件ドラムの下側から巻いて内側から外側へ3回巻き付け、前部甲板上にコイルすることにした。 甲板員Aは、操舵室前面右舷側に設置された本件ドラムの操作レバーを右舷側に倒して本件ドラムを回転させ、右舷船尾から揚がってくる錨索を手繰って前部甲板上にコイルした。 錨索には、約50mごとにサルカンと称する錨索のねじれを解く連結金具が挿入されており、サルカンが本件ドラムに巻かれた際、既に巻かれている錨索の上に重なって不具合が生じることがあるので、サルカンが本件ドラムに巻かれている錨索の上に重ならないようにする必要があった。 甲板員Aは、サルカンが揚がってきたので、錨索を手に持って本件ドラムの横に移動し、サルカンが本件ドラムに巻かれている錨索に重ならないようにするため、サルカンが本件ドラムに巻かれる前に左足でサルカンの近くの錨索を内側に押し込んでいた。 甲板員Aは、左足で錨索を押し込んでいたとき、左足が本件ドラムと錨索との間に巻き込まれた。 甲板員Bは、06時45分ごろ、船首方を見たとき、本件ドラムと錨索との間に左足を挟まれ転倒している甲板員Aを発見し、急いで操作レバーを操作して本件ドラムを停止させた。 船長は、大声を聞いて本件ドラム付近での異変を察知し、操舵室内の配電盤の油圧スイッチを切った。 甲板員Cは、付近にあった包丁で錨索を切断した。 船長は、会社に事故発生を連絡して長崎県平戸市志々岐浦漁港に入港し、甲板員Aは、ドクターヘリで佐世保市の病院に搬送され、左下腿開放骨折等と診断された。 |
| 原因 | 本事故は、本船が津和崎鼻南南西方沖で揚錨作業中、甲板員Aが、本件ドラムを作動させて錨索を巻き揚げていた際、錨索に取り付けられたサルカンが本件ドラムに巻かれる前に左足で錨索を内側に押し込んでいたところ、合羽のズボンの裾が本件ドラムと錨索との間に挟まったため、左足が本件ドラムと錨索との間に巻き込まれたことにより発生したものと考えられる。 |
| 死傷者数 | 負傷:1人(甲板員) |
| 勧告・意見 | |
| 情報提供 | |
| 動画(MP4) | |
| 備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。