
| 報告書番号 | MA2012-6 |
|---|---|
| 発生年月日 | 2011年12月02日 |
| 事故等種類 | 衝突 |
| 事故等名 | 旅客フェリーニューつしま漁船海幸丸衝突 |
| 発生場所 | 長崎県壱岐市壱岐島郷ノ浦港 郷ノ浦港北防波堤灯台から真方位278°340m付近 |
| 管轄部署 | 門司事務所 |
| 人の死傷 | |
| 船舶種類 | 旅客船:漁船 |
| 総トン数 | 1600~3000t未満:5t未満 |
| 報告書(PDF) | 公表 |
| 公表年月日 | 2012年06月29日 |
| 概要 | A船は、船長Aほか21人が乗り組み、郷ノ浦港において旅客36人及び車両14台を乗せ、船長Aが、乗組員を出港配置に就けて出港準備に取り掛かった。 船長Aは、郷ノ浦港ターミナルビル前の岸壁(以下「フェリー岸壁」という。)を離岸する前に周囲を確認したとき、郷ノ浦港中防波堤と南防波堤の外側から両防波堤の開口部(以下「港口」という。)に向けて航行するB船の灯火を視認したので、B船の灯火を船尾配置の三等航海士が視認していることを確認した。 船長Aは、船橋の左舷側で操船を指揮し、マスト灯2個、両舷灯及び船尾灯を表示するとともに、作業用の大型投光器2台及び小型投光器3~4台を前部及び後部の甲板上に向けて照射したほか、多数の通路灯(蛍光灯)を点灯して平成23年12月2日03時16分ごろフェリー岸壁を離れた。 船長Aは、機関を後進にかけ、汽笛で機関を後進にかけていることを示す短音3回を鳴らし、フェリー岸壁西方300m付近のA船の回頭予定場所に向けて西進した。 三等航海士は、A船がフェリー岸壁から離れて後進の行きあしとなった頃、B船が港口を通過したことを船長Aに報告し、さらに、B船が、港口の北東方700m付近にある郷ノ浦港本居船だまり(以下「本居船だまり」という。)に向ける針路でA船に約150mまで接近したので、その旨を報告した。 船長Aは、直ちに汽笛で短音3回を4度繰り返して鳴らした。 船長Aは、フェリー岸壁から約300m後進して港口の北東方400m付近に達したとき、後進の行きあしを止め、機関を極微速力前進にかけて右舵一杯(舵角約55~60°)をとり、サイドスラスターを使用してその場で右回頭を始めた。 三等航海士は、B船が針路を変更せずに約50mまで接近した頃、B船の操舵室前面のガラス窓越しに船長Bの顔が見え、船長BがA船に気付いていないおそれがあったので、他の乗組員と共に笛を吹いてB船に注意を喚起した。 船長Aは、船首がほぼ南東方の港口へ向いたので、右回頭をやめて航走を開始しようとしたとき、03時19分ごろA船の右舷後部とB船の右舷船首部とがほぼ直角に衝突した。 B船は、船長Bが1人で乗り組み、02時30分ごろ郷ノ浦港の西南西方に位置する壱岐市大島漁港長島地区を出港し、同日01時00分ごろ郷ノ浦港の西方を航行中に発生した乗揚事故による損傷の修理のために本居船だまりに向かい、船長Bが、立って手動操舵に当たり、白色全周灯及び両色灯を表示して約5ノットの速力で東北東進した。 船長Bは、機関室の船底に浸水していたので、操舵室の床板を取り払って機関室への入口を開け、機関室入口から機関室内を覗き込んで浸水の状況を確認しながら航行した。 船長Bは、港口に接近したとき、右舷前方のフェリー岸壁にA船が着岸しているのを視認したが、この時刻にA船が出港することはないと思い、港口を通過したのち、本居船だまりの出入口に向けて北東進した。 船長Bは、機関室入口から機関室内を覗き込んで浸水の状況を確認していたので、A船がフェリー岸壁を離れて後進し、B船の前路で回頭を始めたことに気付かず、また、B船の機関音や警報音によってA船が鳴らした汽笛が聞こえなかった。 船長Bは、顔を上げて前方を見たとき、船首方至近距離にA船を視認して衝突の危険を感じ、クラッチを中立にして左舵をとったが、B船の船首部とA船の右舷後部とが衝突した。 B船は、機関室に浸水していたので、本居船だまりに向けて航行し、沈没を防ぐために同船だまりのスロープに船首から乗り揚げた。 A船は、海上保安庁及びA社に通報して郷ノ浦港外で錨泊したのち、海上保安庁の了解を得て目的地の長崎県対馬市厳原港に向かった。 |
| 原因 | 本事故は、夜間、郷ノ浦港において、A船が出航中、B船が入航中、船長Bが見張りを行っていなかったため、両船が衝突したことにより発生したものと考えられる。 |
| 死傷者数 | なし |
| 勧告・意見 | |
| 情報提供 | |
| 動画(MP4) | |
| 備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。