JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2010-6
発生年月日 2009年02月25日
事故等種類 衝突(単)
事故等名 貨物船松寿丸衝突(橋脚工事用桟橋)
発生場所 愛媛県上島町 生名港沖防波堤北灯台から真方位172°970m付近
管轄部署 広島事務所
人の死傷
船舶種類 貨物船
総トン数 100~200t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2010年06月25日
概要  本船は、船長ほか2人が乗り組み、愛媛県長江瀬戸を航行中、一等航海士(以下「航海士A」という。)が船橋当直中の船長と食事交代のため昇橋してきたが、船長は、船橋当直の交替予定場所である弓削瀬戸を通過するまでは当直を続けるつもりで、いったんは断ったものの、航海士Aが食事をするよう強く申し出た。
 このため、船長は、航海士Aに付近の水路の状況などについて知っているかと尋ねたところ、分かっている旨答えたので、広島県生名島の南岸付近と佐島の北岸付近には、それぞれ建設中の生名橋の橋脚があり、狭い海域であるので、十分注意して航行するよう指示したうえで、平成21年2月25日07時59分ごろ降橋して食堂に向かった。
 船橋当直を引き継いだ航海士Aは、生名島と佐島の間を約076°の針路及び約11ノット(対地速力)の速力で、手動操舵により佐島側の橋脚を船首目標として航行した。
 航海士Aは、佐島側の橋脚まで約400mとなったとき、生名島と佐島の間を通過した後、右方の愛媛県弓削島と広島県因島との間の弓削瀬戸に向かえばよいのか、左方の生名島と因島との間の長崎瀬戸に向かえばよいのかが分からなくなった。
 航海士Aは、橋脚に接近するまでに海図を見るくらいの時間はあると思い、船長に連絡することもなく、手動操舵としたまま操舵スタンドを離れて船橋後部の海図台の上に置かれていた海図で確認を始めたため、前路の見張りを行っていなかった。
 船長は、食堂で食事中、右舷側の窓から佐島の防波堤が至近に見えたので異常を感じ、直ちに昇橋したところ、航海士Aが海図を見ており、本船が橋脚に接近していたので、大声で注意したが、航海士Aは、呆然として何もすることができなかった。
 船長は、直ちに左舵をとり、機関を全速力後進にかけたが、08時05分ごろ佐島側の橋脚の工事用桟橋に衝突した。
原因  本事故は、本船が、生名島と佐島の間を佐島側の橋脚に向けて東進中、単独で当直中の航海士Aが、生名島と佐島間を通過した後の針路を海図で確認していたため、建設中の生名橋の佐島側橋脚の工事用桟橋に接近していることに気付かず、同桟橋に衝突したことにより発生したものと考えられる。
 航海士Aが生名島と佐島間を通過した後の針路を海図で確認していたのは、生名島と佐島の間を通過後の針路が分からなくなったことによるものと考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。