JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2012-5
発生年月日 2011年11月24日
事故等種類 死傷等
事故等名 漁船第三十八錦栄丸漁船第十八錦栄丸乗組員死亡
発生場所 北海道稚内市宗谷港東防波堤突端付近  宗谷港北防波堤灯台から真方位227°110m付近
管轄部署 函館事務所
人の死傷 死亡
船舶種類 漁船:漁船
総トン数 5~20t未満:5t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2012年05月25日
概要  A船は、船長A及び甲板員4人(以下「甲板員A」~「甲板員D」という。)が乗り組み、宗谷港南東方沖のさけ定置網の一部を揚収するため、平成23年11月24日12時23分ごろ、同港船揚場を出港し、また、B船は、船長Bが1人で乗り組み、同港南埠頭を出港した。
 両船は、宗谷港内で合流し、A船がB船をえい航するため、両船の乗組員が準備作業を始め、甲板員Aは、船長Bの準備作業がB船の船外機をチルトアップするだけとなったので大丈夫と思い、準備作業が完了した旨を船長Aに伝えた。
 船長Aは、A船の速力を徐々に上げながら、針路約060~090°(真方位)、えい航速力約5~7ノットで手動操舵により港口へ向けて航行した。
 甲板員Bは、後片付けをしているとき、後方を振り向いたところ、12時25分ごろ、宗谷港東防波堤付近で船長Bが落水するのを認め、すぐに船長Aへ伝えた。
 船長Aは、後方を見渡したところ、赤いカッパ姿で後方を向いて海面に浮かぶ船長Bを発見し、すぐにA船を停船させた。
 船長Aは、救助にはA船よりもB船の方が適していると思い、船尾部に移動して甲板員Aと共にえい航索を引いてA船の左舷前方となったB船を手繰り寄せようとしたが、B船の船外機が前進状態であり、B船を引き寄せることができなかった。
 船長Aは、B船を手繰り寄せることを断念し、操舵室に戻ってA船を左旋回させて急いで船長Bの救助へ向かったところ、船長Bが、宗谷港北内防波堤の外側にある消波ブロックへ向けて泳いでいたが、泳ぎを止めて後方を振り返ってA船の到着を待っている様子を確認した。
 A船は、船長Bに近づき、A船の乗組員が救命浮環を投げ入れたが、船長Bの近くへ届かなかったため、再度、投げ入れたところ、船長Bは、これをつかむことができず、船長Bの体力が残されていないと判断した甲板員Bが海に飛び込み、船長Bのカッパをつかんだところ、船長Bは、海水を吐き出して海中に沈んだ。
 甲板員Bは、1人では船長Bを支えることができない旨、A船の乗組員に伝え、甲板員Cが海に飛び込み、2人で船長Bを支え、船長Bは、A船の甲板上の船長A、甲板員A及び甲板員DによりA船に引き揚げられた。
 A船の乗組員は、船長Bに対し、交代で心臓マッサージ、人工呼吸を繰り返して行い、A船は12時40分ごろ宗谷港へ帰港した。
 船長Bは、病院へ搬送されたが、14時08分、死亡が確認され、死因は、溺死と検案された。
原因  本事故は、A船がB船をえい航して宗谷港内を東進中、船長Bが落水したことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 死亡:1人(第十八錦栄丸船長)
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。