JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2010-1
発生年月日 2008年09月09日
事故等種類 転覆
事故等名 漁船第五十七幸福丸転覆
発生場所 鹿児島県南さつま市宇治島灯台から真方位266°69海里付近
管轄部署 長崎事務所
人の死傷
船舶種類 漁船
総トン数 5~20t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2010年01月29日
概要  本船は、船長ほか甲板員2人が乗り組み、はえ縄漁の目的で、平成20年9月4日長崎県五島市玉之浦港荒川を出港し、僚船1隻とともに宇治群島の西方70海里付近の漁場に向かった。
 本船は、4日間操業を繰り返して、8日17時過ぎに衛星電話で、沿岸部の予報である鹿児島地方気象台の天気予報及びFAXで天気図を入手したところ、翌9日の天気は良好であり、天候悪化は予想されなかった。
 9日03時ごろ船長は、投縄を開始してこれを終え、朝食を取ったあと、06時過ぎに投縄を終えた地点から揚縄を開始した。このころの天候は、曇り、東風毎秒3ないし4m、東から波高1.5mの波で、視界は良好であった。
 船長は、東風に落とされないように、ラインホーラーに取り付けたリモコンで、船首を北東から東北東に向けるようにして前進、停止を繰り返しながら北北東方向に揚縄を継続していたところ、15時50分ごろ、天候が急変し、空が暗くなるとともに雷雨となり、西風が吹き込み、風浪が強まって西の風約30m/sとなり、波高約4mとなった。
 船長は、16時ごろ揚縄を中断して、オーニングの開口部から風浪が打ち込んだら、オーニングや道具が吹き飛んでしまうと思い、右舷側から風浪を受けないように、左舷船首45°方向から風浪を受けるように船首を北西に向けて保持を試みたが、保持することはできなかった。
 船体は風浪を左舷側から受けて右舷側に傾斜するとともに、剥がれたオーニングなどから風浪が打ち込んで、右舷側への傾斜が増して舷側から海水が流入するようになり、さらに大波を3回ほど受けて傾斜が増大し、海水の流入によって機関も停止した。
 甲板員2人はボンデンを持って海に飛び込み、船長も16時20分ごろ僚船に無線で救助要請したあと、ボンデンをつかんで海に飛び込み、16時32分ごろ本船は、右舷側に転覆した。
 船長及び甲板員2人は、救助に来た僚船により救助され、船体は捜索にあたっていた巡視船により、串木野港までえい航された。
原因  本事故は、本船が宇治群島西方沖合において操業中、天気が急変して強風と波浪を受けて船体が傾斜するとともに、海水が流入して傾斜が増大したため、転覆したことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。