JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2012-4
発生年月日 2011年08月21日
事故等種類 転覆
事故等名 漁船恵比須丸転覆
発生場所 山口県下関市蓋井島北東方沖  蓋井島灯台から真方位037°3,000m付近
管轄部署 門司事務所
人の死傷 死亡:負傷
船舶種類 漁船
総トン数 5t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2012年04月27日
概要  本船は、船長ほか1人が乗り組み、平成23年8月21日06時05分ごろ、ふぐかご漁のため、ふぐかご約60個を搭載して山口県下関市涌田漁港を出港し、蓋井島北東方沖の漁場に向かった。
 本船は、出港時から甲板員が操舵を行い、約9ノット(kn)の速力(対地速力、以下同じ。)で航行し、下関市観音埼沖を通過した辺りから、速力を約6~7knに減速して針路を約270°(真方位、以下同じ。)とした。
 船長は、06時45分ごろ、風向きが東から南に変わって強くなり、うねりも出てきたので、甲板員と交代して操舵に当たった。
 本船は、船長が立った姿勢で手動操舵により西進中、辺りが急に暗くなり、激しい雨を伴う南風の強風域が接近し、高波が左舷方から襲うようになったので、蓋井島の島影に退避するつもりで約4~5knに減速して針路を南方に向けて強風域が通過するのを待った。
 甲板員は、激しい雨風と高波が通過してホッとしていたところ、今度は、北方からの強風とこれに伴う猛烈な雨や高波が前後左右から押し寄せ、船長が竜巻かと叫んでいたが、06時50分ごろ、本船は、蓋井島北東方沖において、沈み込むようになった左舷側に波をかぶって浸水し、転覆した。
 船長は、左足が不自由であり、雨具上衣の下に救命胴衣を着用して長靴を履いていた。
 甲板員は、救命胴衣を着用せず、雨具上下と長靴を着用していた。
 甲板員は、本船が転覆して直ちに船長を操舵室から引き出し、約10秒後に海面に浮上した。
 甲板員は、右舷側にあるロープ止め金具をつかんでいたところ、約1分後に船長の両手が見えたので、船長を引き寄せて片手で抱え、両足で船長の体を挟み込んでいたが、船長の意識はなく、波にあおられて雨具と救命胴衣が脱げた。
 甲板員は、約15分経って手足がしびれ、船長を抱えることができなくなった。
 甲板員は、本船の船尾から船底にはい上がり、流れ着いたロープで身体を舵などにくくって救助を待っていたところ、12時37分ごろ蓋井島灯台から037°3,000m付近で蓋井島航路の旅客船に発見され、通報を受けた巡視船に救助された。
 船長は、23日14時11分ごろ、捜索に参加していた漁船により、蓋井島灯台から096°4,200m付近で発見され、巡視船が揚収して関門港門司区に搬送された。
 船長の死因は、溺水と検案された。
原因  本事故は、本船が、蓋井島北東方沖を南進中、突風に伴う波が前後左右から押し寄せて波が打ち込んだため、左舷側から傾いて浸水し、転覆したことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 死亡:1人(船長)、負傷:1人(甲板員)
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。