
| 報告書番号 | MA2012-2 |
|---|---|
| 発生年月日 | 2011年05月22日 |
| 事故等種類 | 乗揚 |
| 事故等名 | 自動車運搬船CITY OF OSLO貨物船第七菱洋丸乗揚 |
| 発生場所 | 関門港若松第5区の若松航路第1号灯浮標東方の浅所 福岡県北九州市所在の若松洞海湾口防波堤灯台から真方位134°1,600m付近 |
| 管轄部署 | 門司事務所 |
| 人の死傷 | |
| 船舶種類 | 貨物船:貨物船 |
| 総トン数 | 10000~30000t未満:500~1600t未満 |
| 報告書(PDF) | 公表 |
| 公表年月日 | 2012年02月24日 |
| 概要 | A船は、船長Aほか15人が乗り組み、ロシアのザルビノ港を出港して関門海峡経由で広島港に向かい、船橋当直中の三等航海士が、平成23年5月22日19時30分ごろ、関門海峡海上交通センター(以下「関門マーチス」という。)にVHF無線電話(以下「VHF」という。)で関門港入域2時間前の通報を行った。 船長Aは、20時00分ごろ、関門港関門航路の航行に備えて昇橋し、A船がMNライン(山口県下関市六連島所在の六連島灯台から000°(真方位、以下同じ。)の線)通過時に関門マーチスに位置通報を行い、船橋の中央右側の椅子に腰を掛けて操船を指揮し、三等航海士を見張りに、甲板員を手動操舵にそれぞれ就け、六連島東方の関門航路北口に入航し、1.5海里(M)レンジとしたレーダーを1.5M後方にオフセンタして使用していた。 A船の船橋には、前面に航海コンソールがあって中央の操舵装置のほか各種航海用の機器類が組み込まれており、操舵装置の左右に椅子が2脚あり、右側の椅子の前面に電子海図表示装置(ECDIS)及び衝突予防援助装置(ARPA)付きのレーダーが配置されており、同椅子の左側に機関操縦レバーがあって機関の操作ができるようになっていた。また、船橋の前面と両側面は大きな角窓となっており、椅子に腰を掛けた姿勢でも前方及び側方の見通しは良好である。 A船は、関門航路を約11ノット(kn)の速力(対地速力、以下同じ。)で南進中、船長Aが、21時48分ごろ、若松航路から出航してくるB船をレーダーで探知し、ARPAによりB船の速力が約11knで最接近距離が約0.3~0.5Mであることを確認したが、陸上灯火に紛れてB船の航海灯を視認することができず、三等航海士にB船の船名などの情報を船舶自動識別装置(AIS)で確認するように指示した。 船長Aは、21時49分ごろ、関門マーチスがVHFで関門航路を航行中の船舶に対し、A船が関門航路を東航中であるので注意するようにとの放送を行ったのを聞いた。 船長Aは、関門航路の右側を南進していたところ、右舷前方から接近中のB船がA船の前路を右方から左方に横切ったのちに減速して左転し、A船の方に船首を向けたのを認め、A船がこのまま関門航路に沿って左転すればB船と衝突する危険があり、国際海上衝突予防規則によってA船がB船を避けなければ航法違反となるものと思い、B船の船尾方を通過することにし、関門航路に沿った針路に変針せずに関門航路から若松航路に入った。 船長Aは、A船が急速に減速すると舵効きが悪くなってB船や陸岸に衝突するおそれがあるので、B船の船尾方を通過したのちに減速することにしてB船の船尾方に向けて若松航路を南進した。 船長Aは、21時54分ごろ、関門マーチスからVHFにより、減速して下さい、そのまま航行すると浅所があるので危険である旨の情報提供を受けた。 A船は、B船の船尾方を通過したので速力を約11knから減速して左転を始め、若松航路から出て同航路南側の航路外で速力約4~5knで左転中、21時57分ごろ、若松航路南側の航路外の浅所に乗り揚げた。 B船は、船長Bほか5人が乗り組み、関門港若松第1区から出港し、船長Bが、出港時から操船に当たり、機関長を機関遠隔操縦盤に、一等航海士を手動操舵にそれぞれ就けて若松航路を東進した。 船長Bは、若松航路の中央を同航路に沿って速力約11knで東進中、若松航路第5号灯浮標(以下、若松航路の各灯浮標の名称については、「若松航路」を省略する。)と第6号灯浮標の間を通過したとき、関門マーチスにWAライン通過の位置通報を行ったところ、関門マーチスから、六連島の方から速力約15knで南進中の外国船(A船)に注意するようにとの情報提供を受け、左舷前方に関門航路を南進中のA船を視認した。 船長Bは、A船の通過を待って関門航路に入航することにし、第1号灯浮標を通過する頃、機関を停止して前進惰力で航行した。 船長Bは、外国船であるA船の船名が分からなかったのでVHFでA船と交信せず、若松航路の東口付近を前進惰力で航行しながらA船の通過を待っていたところ、A船がB船の方に向けてきたので、B船がA船を避ける意思を示すために左舵をとって船首を左に振ったが、依然としてA船が向かってくるので、衝突を避けるために増速して右舵をとり、関門航路に向かった。 船長Bは、関門マーチスから、A船がB船の船尾方に向かっているので、B船はそのまま関門航路の方に向かって下さいとの情報提供を受けたことから、同航路に入航して南東進した。 A船は、乗揚後、関門マーチスに乗り揚げたことを通報し、翌23日01時40分ごろ、機関とバウスラスターを使用して自力で離礁した。 A船は、潜水調査の結果、船底に擦過傷があった。 |
| 原因 | 本事故は、夜間、A船が、関門港の関門航路を南進中、船長Aが、若松航路を航行していたB船との衝突を避けようとした際、関門航路から若松航路に入り、B船の船尾方を通過したのちに左転し、若松航路南側の航路外に出たため、第1号灯浮標東方の浅所に乗り揚げたことにより発生したものと考えられる。 |
| 死傷者数 | なし |
| 勧告・意見 | |
| 情報提供 | |
| 動画(MP4) | |
| 備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。