JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2010-4
発生年月日 2008年12月19日
事故等種類 死傷等
事故等名 漁船第二蛭子丸乗組員死亡
発生場所 鹿児島県志布志市志布志港南防波堤灯台から真方位176°1.6海里付近
管轄部署 門司事務所
人の死傷 死亡
船舶種類 漁船
総トン数 5t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2010年04月23日
概要  A船は、チリメンジャコ漁に従事するひき網船で、平成20年12月19日07時00分ごろ、船長A及び甲板員が乗り組み、船長Bが単独で乗り組みA船と組んで2そう曳きを行うひき網船(以下「B船」という。)、及び船長として漁ろう長が単独で乗り組む運搬船兼魚群探索船(以下「C船」という。)の僚船2隻とともに船団を構成して鹿児島県波見港を出港した。
 A船、B船及びC船は、07時30分ごろ志布志湾の漁場で操業を開始したが、風が強まってきたため操業を中止して帰港することとした。
 船団は、A船の右舷側とB船の左舷側を接舷して固縛し、両船は機関を中立として、それぞれの後部甲板にあるウインチドラムで左右の袖網部を巻き揚げたのち、C船の右舷側をA船の左舷側に接舷、固縛し、船長B及び漁ろう長がA船に移乗して、全員で袋網部をA船後部甲板に揚収し整頓する作業に取りかかった。
 船長Aは、甲板員と船尾に備えられた網揚げローラー(以下「ローラー」という。)の左右に分かれ、網の空回りを防ぐため、巻き上げられてくる網を下方に引いてローラーとの摩擦力を保持し、漁ろう長は、左舷中央に設置されたローラーの油圧装置レバーの操作を行いながら網の整頓を行っていた。
 揚網作業中、竹の根が網に絡まって揚がってきたので、仮置きするため、漁ろう長と甲板員は、2人で竹の根を網ごと左舷側に移動していた。
 操船のためA船の船橋とB船の船橋の間にいた船長Bは、1人で網を保持していた船長Aが巻き上げている網に左手を絡ませ、身体ごとローラーに巻き込まれるのを目撃して大声で叫び、これを聞いた漁ろう長が油圧装置レバーでローラーを停止し逆回転させて、船長Aをローラーから離した。
 船長Aは、C船で志布志港に運ばれて病院に搬送されたが、死亡が確認され、死因は頚髄損傷と検案された。
原因  本事故は、A船が志布志湾において揚網作業中、網に絡まって揚がってきた竹の根を処理する必要が生じた際、揚網作業を中断せず、ローラーの操作に当たっていた漁ろう長と、船長Aと2人で網を引いていた甲板員が竹の根の処理に当たり、船長Aが単独で揚網作業を続けたため、船長Aが左手を網に絡ませたとき、直ちにローラーを停止することができず、身体ごとローラーに巻き込まれたことにより、発生したものと考えられる。
死傷者数 死亡:船長
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。