JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2011-12
発生年月日 2010年08月27日
事故等種類 火災
事故等名 油タンカー瀬戸丸火災
発生場所 阪神港尼崎西宮芦屋区の尼崎西防波堤沖 兵庫県尼崎市所在の尼崎西防波堤灯台から真方位229°1,100m付近
管轄部署 神戸事務所
人の死傷
船舶種類 タンカー
総トン数 200~500t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2011年12月16日
概要  本船は、船長及び機関長ほか2人が乗り組み、牛脂約500tを積載し、阪神港尼崎西宮芦屋区の岸壁で主機の運転を行って直結駆動の貨物油ポンプを運転して揚げ荷役作業中、主機の潤滑油こし器切換レバーが緩み、潤滑油ポンプ出口こし器が閉塞状態となり、ポンプ出口の圧力が上昇して潤滑油系統の1か所から潤滑油が約200l漏えいし、また、主機入口の潤滑油圧力が著しく低下し、主機が過熱ぎみの状態となった。
 機関長は、主機を停止して潤滑油を補給したのち、予備の電動潤滑油ポンプを運転しながら主機クランク室を点検したところ、潤滑油の量が著しく少なく、潤滑油圧力が1.5kgf/cm2と低くなっていたことから、荷役は何とかして終えることができるかもしれないが、航行できる状態ではないと判断し、船長にその旨を伝えた。
 船長は、荷役終了後に阪神港神戸区にある造船所で修理及び整備を行うこととした。
 機関長は、荷役後に造船所で修理することを考慮し、主機を1~3番シリンダのクランク室の蓋のナット7個のうち2個のみを手で軽く締め付けた状態で復旧したのち、主機を運転して荷役を再開した。
 本船は、荷役後、造船所にえい航されるタグボートと合流するため、荷役岸壁を離れて極微速前進の速力で自航して造船所に向かい、タグボートの接近を認めて尼崎西防波堤灯台から真方位229°1,100m付近で主機を停止することとした。
 機関長は、平成22年8月27日16時20分ごろ、機関室で操縦レバーを操作して主機を手動停止したところ、機関室内で爆発が生じ、主機の右舷側から火炎が噴出しているのを認めた。
 本船は、直ちに右舷の錨を投じ、その場所にとどまって118番通報し、17時40分ごろ、巡視艇に乗組員4人が救助された。
 発生した火災は、巡視艇6隻による放水を受け、巡視艇乗組員が機関室の密閉消火の措置をとったものの鎮火には至らず、翌28日、近くの桟橋に着桟し、消防車からも放水を受け、鎮火した。
原因  本事故は、本船が、阪神港尼崎西宮芦屋区を極微速前進の速力で航行中、主機クランク室内で発生した可燃性ガスが、クランク室内の高温部又はブローバイした燃焼ガスによって着火して爆発したため、クランク室の蓋が破損して火炎が機関室に噴出し、機関室に漏えいしていた潤滑油等の可燃物に延焼したことにより発生した可能性があると考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。