
| 報告書番号 | MA2010-3 |
|---|---|
| 発生年月日 | 2008年12月28日 |
| 事故等種類 | 沈没 |
| 事故等名 | 押船旺秀丸浚渫船兼起重機船旺秀沈没 |
| 発生場所 | 静岡県神子元島沖 神子元島灯台から真方位189°2.5海里付近 |
| 管轄部署 | 横浜事務所 |
| 人の死傷 | |
| 船舶種類 | 引船・押船:作業船 |
| 総トン数 | 5~20t未満:その他 |
| 報告書(PDF) | 公表 |
| 公表年月日 | 2010年03月26日 |
| 概要 | A船とB船が結合した一体型押船列(以下「A船押船列」という。)は、船長ほか5人が乗り組み、平成20年12月23日07時30分ごろ、長崎県佐世保港を出港して東京湾に向かった。 A船押船列は、A船に操舵室と機関室を、B船の船尾部甲板上に乗組員居住区をそれぞれ設け、同居住区内にも増設した操舵室(以下「B船操舵室」という。)を備えていた。 船長及び乗組員は、主にB船操舵室で4時間交代3直制の航海当直を行っていた。 12月27日夜、機関担当の甲板員Aは、機関室内を見回り、主機などに異常がないことを確認した後、機関室の入口扉(鋼製水密扉)を開放したままB船操舵室に移動し、23時30分ごろ、静岡県御前埼の南西方で作業員Aと共に船長から航海当直を引き継いだ。 A船押船列は、西寄りの風と波浪を受けながら針路約090°及び速力約4~5ノットで航行した。 翌28日03時30分ごろ、甲板員B及び甲板員Cは、静岡県石廊埼の南方で甲板員A及び作業員Aから航海当直を引き継ぎ、その後次第に風の音が大きくなるとともに波が高まることを感じていた。 A船押船列は、神子元島の南方で約10°左転した。 甲板員Cは、B船操舵室の窓から船尾方を見ていたところ、大きな波がA船に打ち込むのを目撃し、操船を担当していた甲板員Bに対して「A船に波がのった。元の針路にしてくれ。」と叫んだ。 甲板員Bは、甲板員Cの叫び声を聞き、針路を約090°に戻すとともに主機のクラッチを中立状態にし、間もなくA船の主機が停止した際の警報音を聞いた。 甲板員Cは、異常事態の発生と判断し、隣室で休息していた船長に報告し、船長の指示を受け、06時21分ごろ携帯電話で海上保安庁に通報した。 甲板員Bは、引き続きA船に波が打ち込み、上甲板が波に洗われる状況となったことをB船操舵室の窓から目撃した。 乗組員は、06時30分ごろ、A船とB船とを結んでいたチェーンが切断したと思われる音を聞き、船長はA船の沈没を目撃した。 その後、船長及び乗組員は、漂流状態となったB船の動揺を抑えるためにスパッドを海中に下ろした。 一方、来援した海上保安庁特殊救難隊員は、引船の到着に備えてB船から直径約70mmのロープを海面上に繰り出すとともに、座礁を避ける目的で船首から錨を投入した。 船長及び乗組員は、09時16分ごろ、海上保安庁のヘリコプターに救助された。 B船は、東京都利島に向けて漂流し、14時35分ごろ、利島灯台から282°600m付近でスパッドの下端が海底に接触して停止した。 |
| 原因 | 本事故は、A船押船列が、海上強風警報が発表されていた神子元島沖を航行中、A船の船尾から波が打ち込み、開放していた機関室入口から同室内に多量の海水が流入したため、A船が浮力を喪失して沈没したことにより発生したものと考えられる。 |
| 死傷者数 | なし |
| 勧告・意見 | |
| 情報提供 | |
| 動画(MP4) | |
| 備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。