JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2010-3
発生年月日 2009年02月18日
事故等種類 転覆
事故等名 漁船第二十八金城丸転覆
発生場所 北海道釧路港南南東方沖13海里付近
管轄部署 函館事務所
人の死傷 死亡:負傷
船舶種類 漁船
総トン数 5~20t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2010年03月26日
概要  本船は、船長ほか4人が乗り組み、ほっけ刺し網漁の目的で、平成21年2月18日20時20分ごろ、北海道釧路町昆布森漁港を出港し、釧路港南南東方沖13M付近の漁場に向かい、21時40分ごろ僚船約11隻とともに、前々日の16日に仕掛けた刺し網の揚網作業を始めた。
 本船は、機関を中立運転とし、船首を南西方から西方に向けて右舷側から風浪を受け、揚網しながらゆっくりと前進して作業を続けた。
 本船は、1組の網を前部上甲板右舷寄りに揚げて4列に並べ、錘として取り付けていた3個目の錨が上甲板上に揚がったころ、船体が右舷側に5°~10°傾いたので、船長が、甲板員B及び甲板員Cに左舷側にある第三漁倉(左)に海水を張るように指示した。
 本船は、海水を張ったものの右傾斜が約15°に増えたため、船長が、機関室に入り、ビルジの量、各燃料タンクの油量、バルブの開閉状況を確認したが、異常はなく、操舵室に戻った。
 本船は、右傾斜が増し上甲板右舷側の放水口などから流入した海水が、上甲板上に滞留するようになったため、船長が、本船を右旋回させ遠心力を利用して右傾斜の修正と排水を行おうと、機関を全速力前進として右舵一杯をとった。
 本船は、右傾斜が更に大きくなり放水口などからの流入量が増えるとともに上甲板に置いた漁具が右舷側に片寄って大傾斜し、船長が無線で僚船に救助を求めた後、全員が海中に飛び込み、23時37分ごろ、速力が5~6knになり、船首を北西に向けて転覆した。
 甲板員C及びDは、最も先に駆けつけた僚船Aに泳ぎ着いて救助され、船長及び甲板員Bは、防舷物につかまってしばらく浮いていたところを僚船Bに救助された。
 甲板員Aは、僚船Aの船尾方で浮いていたが、僚船Aがプロペラに本船のロープを巻き込んで運航不能となっている間に流され、行方不明となった。
 本船は、釧路港にえい航された。
原因  本事故は、夜間、釧路港南南東方沖において、本船が、ほっけ刺し網漁の揚網中、ふだんより大量の魚が掛かった網を甲板の右舷寄りに置いたため、傾斜するとともに不安定になり、海水が甲板上に流入して滞留し、転覆したことにより発生した可能性があると考えられる。
死傷者数 死亡:甲板員、負傷:船長、甲板員
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。