
| 報告書番号 | MA2011-6 |
|---|---|
| 発生年月日 | 2011年02月08日 |
| 事故等種類 | 死傷等 |
| 事故等名 | 漁船第一大成丸乗組員死亡 |
| 発生場所 | 島根県隠岐(おき)の島町西方沖 隠岐福浦埼灯台から真方位276°26海里(M)付近 |
| 管轄部署 | 広島事務所 |
| 人の死傷 | 死亡 |
| 船舶種類 | 漁船 |
| 総トン数 | 20~100t未満 |
| 報告書(PDF) | 公表 |
| 公表年月日 | 2011年06月24日 |
| 概要 | 本船は、船長ほか6人が乗り組み、隠岐の島町西方25M付近の漁場で沖合底びき網漁業の操業を行っていた。 本船の底びき網漁は、両舷船尾から出した長さ約1,600mの2本の引き綱で底びき網を引くもので、船尾部から、右舷側の引き綱(以下「右舷綱」という。)に取り付けた長さ約2m、直径約90~100cm、重さ約15~20kgの円筒形の浮き(以下「タル」という。)を投入し、低速力で前進しながら右舷綱を繰り出して投網予定地点で投網したのち、左に旋回して左舷側の引き綱(以下「左舷綱」という。)を繰り出しながらタルの投入地点に戻り、タルを揚収して右舷綱を左舷船尾に取ってえい網を開始する方法を採っていた。 本船は、機関長兼漁ろう長(以下「漁ろう長」という。)が操舵室で操船しながら操業の指揮を行い、船長及び他の乗組員を後部甲板に配置して22回目の操業を始め、タルを投入して約1~1.5ノットの速力で右舷綱を出しながら前進し、左回りで漁網及び左舷綱を順次繰り出しながらタルの投入地点に戻った。 後部甲板の乗組員は、タルに付けていた長さ約7mの引揚げ綱を揚収して巻揚機で巻き、平成23年2月8日09時50分ごろ、タルを船尾に設けられた舷門(底びき網等を投揚網するための出入口)から後部甲板に取り込んだ。 甲板員Aは、タルを左舷船尾の格納場所に移動させるため、タルの向きを変えて待っていたところ、甲板員Bが、タルの一端に取り付けられた右舷綱と引揚げ綱の2本がよれているのを見つけたので、綱のよれをとることにした。 甲板員Bは、いつものように、綱のよれをとるためにタルを一旦海上に落とすことにし、後部甲板上の安全を確認したのち、「タルを入れるぞ」と大声で乗組員に声をかけ、巻揚機に取っていた引揚げ綱を放したところ、本船が前進していたことからタルが舷門に向けて動き出した。 甲板員Cは、甲板員Aが、動き出したタルの上部を両手でつかんでタルとともにゆっくりと舷門方向に歩き出したのを見て、甲板員Aに「早く手を離せ」と叫んだ。 甲板員Aは、09時55分ごろ、舷門付近で転倒し、舷門から落水した。 甲板員Cは、すぐに非常ベルを鳴らして甲板員Aに救命浮環を投げた。 操舵室で操船していた漁ろう長は、非常ベルで異状に気付いて機関停止とした。 甲板員Cは、甲板員Aが救命浮環につかまったので、救命浮環に取り付けられていた索を手繰り寄せていたところ、甲板員Aが、意識を失いかけて救命浮環から手を離そうとしたので、海中に飛び込んで甲板員Aが沈まないように支えた。 甲板員Aは、10時04分ごろ本船に引き揚げられ、人工呼吸や心臓マッサージが施された。 漁ろう長は、10時05分ごろ、本事故の発生を船舶電話で兵庫県香住漁業無線局に連絡し、同無線局を通じて海上保安庁に通報された。 甲板員Aは、11時45分ごろ来援した海上保安庁のヘリコプターに吊り上げられ、12時25分ごろ病院へ搬送されたが、13時00分ごろ死亡が確認され、死因は溺水と検案された。 |
| 原因 | 本事故は、本船が、隠岐の島町西方沖において投網作業中、タルに取り付けられた2本の綱がよれていたので、タルを海上に落としてよれをとろうとした際、甲板員Aが、タルの上部を両手でつかんでタルとともに船尾方向に歩いていたところ、舷門付近で転倒したため、舷門から落水したことにより発生したものと考えられる。 |
| 死傷者数 | 死亡:1人(甲板員A) |
| 勧告・意見 | |
| 情報提供 | |
| 動画(MP4) | |
| 備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。