JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2011-1
発生年月日 2010年05月27日
事故等種類 衝突
事故等名 アスファルトタンカーJANESIA ASPHALT Ⅲ貨物船大黒丸衝突
発生場所 来島海峡航路西口の西方 愛媛県今治市桴磯灯標から真方位288°2.1海里付近
管轄部署 広島事務所
人の死傷
船舶種類 タンカー:貨物船
総トン数 3000~5000t未満:100~200t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2011年01月28日
概要  A船は、船長Aほか15人が乗り組み、アスファルト3,200tを積載し、船長Aが、操船を指揮し、三等航海士を見張りに、甲板手を手動操舵につけ、自動衝突予防援助装置(ARPA)付きのレーダーを作動させ、安芸灘の推薦航路に沿って北東進し、平成22年5月27日22時18分ごろ、安芸灘南航路第4号灯浮標(以下「第4号灯浮標」という。)を通過したとき、来島海峡航路西口の北端付近に向く針路約035°(真方位、以下同じ。)とし、速力約14.0ノット(kn)(対地速力、以下同じ。)で航行した。
 船長Aは、22時23分ごろ、レーダーで右舷船首2.6M付近にB船の映像を初めて探知したので、ARPAによりB船が第4号灯浮標に向かう針路であることを確認し、22時24分ごろ、来島海峡航路中水道を航行するため、同航路の北側から入航しようとして針路約018°とした。
 船長Aは、22時25分ごろ、B船と約2Mに接近したとき、B船に対し、探照灯で短時間の照射を2回行ったが、B船の反応がなかった。
 船長Aは、22時27分ごろ、白、白、紅3灯を見せたB船と衝突するおそれがある態勢で接近していたので、再度、短時間の照射を2回行ったところ、B船から探照灯の照射による応答があったことから、A船が来島海峡航路に向けて右転することをB船が理解したものと思い、右転することにした。
 しかし、船長Aは、反航船2隻が右舷側を通過中であったことから、右転できずにしばらく直進し、22時29分ごろ、反航船が通過したのち、B船との衝突を避けるために右舵一杯をとったところ、B船が左転を始めたように見えたので、左舵一杯として左転を始めた。
 A船は、左転中、22時30分ごろ、A船の右舷船尾部とB船の左舷船首部とが衝突した。
 B船は、船長B及び航海士Bほか1人が乗り組み、コークス304tを積載し、来島海峡北方の宮ノ窪瀬戸を通過したのち、21時30分ごろ、船長が船橋当直を航海士Bに引き継いだ。
 単独の船橋当直についた航海士Bは、操舵装置の前に立ち、レーダー(ARPAなし)を8Mレンジとして使用し、GPSプロッターにより船位を確認しながら、来島海峡航路と愛媛県今治市大下島との間の航路外を西進した。
 航海士Bは、安芸灘の推薦航路を航行するため、大下島のアゴノ鼻灯台から219°1,900m付近で、針路を約240°とし、速力約8.0knで自動操舵により航行中、22時21分ごろ、左舷船首20°3.4M付近にA船の緑灯を初めて視認した。
 航海士Bは、A船に対し、B船の存在を知らせるため、探照灯でA船の方向を約10秒間照射し、針路及び速力を保持して航行したが、A船のコンパス方位に変化がなく、衝突するおそれがある態勢で接近したので、22時28分ごろ、探照灯で再度A船の方向を照射し続けた。
 航海士Bは、避航動作をとらずに接近するA船との衝突の危険を感じ、22時29分ごろ、手動操舵に切り換えて右舵一杯とし、機関を全速力後進とした。
 B船は、22時30分ごろ、約30°右転し、速力が約2~3knになったとき、A船と衝突した。
原因  本事故は、夜間、来島海峡航路西口の西方において、A船が北北東進中、B船が南西進中、A船が、右方から衝突するおそれがある態勢で接近するB船を避けずに航行し、また、B船が、A船との衝突を避けるための最善の協力動作をとらなかったため、両船が衝突したことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。