JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2010-10
発生年月日 2009年11月19日
事故等種類 死傷等
事故等名 漁船さくら丸乗組員負傷
発生場所 長崎県壱岐市 郷ノ浦港鎌崎防波堤灯台から真方位042°680m付近
管轄部署 門司事務所
人の死傷 負傷
船舶種類 漁船
総トン数 5~20t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2010年10月29日
概要  本船は、郷ノ浦港東防波堤に左舷着けで係留していたところ、船長ほか甲板員2人が乗り組み、平成21年11月19日10時50分ごろ、船長が操舵室で機関を始動して操船に当たり、甲板員Aが船尾、甲板員Bが船首の配置について出航作業にかかった。
 船首側の綱放し後、甲板員Aは、船長からの綱放せの合図を受けて、左舷船尾デッキで、たつ(係留索を留める柱状の構造物を指す。)の斜め後方の防波堤のビット(以下「本件ビット」という。)に回し取っていた係留索を、本船左舷船尾に設置された流し台の上に取り込み始めた。
 甲板員Aは、作業中、係留索端のアイが本件ビットに絡んでしまったので、船長に知らせるため「おーい」と声を掛けた。応答はなかったが、そのまま流し台に上がり、左足をブルワーク上に置き、右足で流し台に取り込んだ係留索を踏む姿勢で、絡んだ係留索を引き外そうとした。
 船長は、甲板員Aが係留索を取り込み始めたのを確認し、その約2分後、係留索を全部取り込み終えていると思い、作業状況を確認せずに機関を前進に掛け発進した。
 甲板員Aは、本船が前進し始めたので「おーい」と叫んだが、本船の前進とともに流し台上の係留索が本件ビット側に引かれ、11時00分ごろ、右足首が係留索に絡んで、ブルワークの船尾左舷の角まで引かれると同時に締め付けられた。
 船首で作業の後片付けをしていた甲板員Bは、叫び声を聞き、舷外に落ちそうになっている甲板員Aを発見して救助に向かい、船長は、甲板員Bが慌てて船尾に走ったのを見て、機関を停止した。
 甲板員Aは、救急車及びヘリコプターにより、病院に搬送されたが、右下腿開放骨折を負って入院した。
原因  本事故は、本船が郷ノ浦港において出航作業中、甲板員Aが、取り込んでいた係留索が本件ビットに絡んで取り込めなくなった際、操船に当たっている船長にその旨の連絡が伝わらない状況で、取り込んだ係留索を右足で踏みつけた姿勢で作業を続け、また、船長が取り込み作業の状況を確認せずに機関を前進にかけたため、本船が前進し、緊張した係留索が、甲板員Aの右足首に絡んで締め付けたことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 負傷:1人(甲板員)
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。