JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2010-9
発生年月日 2010年01月27日
事故等種類 衝突
事故等名 貨物船須崎丸漁船幸丸衝突
発生場所 備讃瀬戸東航路 香川県高松市小槌島灯台から真方位052.7°1.9海里(M)付近
管轄部署 広島事務所
人の死傷
船舶種類 貨物船:漁船
総トン数 500~1600t未満:5t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2010年09月17日
概要 (1) 貨物船須崎丸
 貨物船須崎丸(以下「A船」という。)は、船長及び航海士Aほか5人が乗り組み、兵庫県赤穂港でセメント1,491トンを積載し、平成22年1月27日20時25分ごろ出港して熊本県八代港に向かった。
 航海士Aは、赤穂港の南方沖で、出港操船に当たった船長と交替して単独の船橋当直につき、マスト灯2個、両舷灯及び船尾灯を表示し、レーダーとGPSプロッターを作動させ、井島水道を南下して備讃瀬戸東航路中央第3号灯浮標(以下「3号灯浮標」という。)付近から備讃瀬戸東航路の北側部分(以下「東航路西航レーン」という。)に入航した。
 航海士Aは、東航路西航レーンを約252°(真方位、以下同じ。)の針路で自動操舵により西進中、双眼鏡で左舷船首10°付近に漁船幸丸(以下「B船」という。)の黄色回転灯と作業灯を視認し、底びき網漁船であることを知ったが、レーダーでは確認しなかった。
 航海士Aは、右舷前方及び右舷後方に同航船がいたので、この2隻の動向に注意しながら航行した。
 航海士Aは、衝突の約3分前、小槌島灯台から055°4,000m付近で、操舵室左舷後部にある海図台に赴き、海図で次の針路を確認し、次の海域の海図を海図台上に出したのち、GPSプロッターで備讃瀬戸東航路中央第2号灯浮標(以下「2号灯浮標」という。)との位置関係を確認していたとき、船首方にB船のやぐらと黄色回転灯などを視認した。
 航海士Aは、直ちに機関のクラッチを中立にしたが、A船の船首部とB船の船尾部とが衝突した。

(2) 漁船幸丸
 B船は、B船の船長(以下「船長B」という。)が1人で乗り組み、操舵室前のマストに緑灯1個及び両舷灯を表示したほか、マストに黄色回転灯を点灯し、2号灯浮標と3号灯浮標との間の東航路で繰り返し底びき網漁を操業した。
 B船は、23時44分ごろ、第2号灯浮標付近においてえい網を終え、前記灯火のほか、操舵室前の天幕の下に作業灯1個、船尾のやぐらに作業灯3個を点灯して、船首を西南西方に向けて漂泊し、底びき網の揚網を開始した。
 船長Bは、揚網開始から約3~4分経過し、B船の両舷側から200m出していた引き綱のワイヤを約100m巻き揚げたころ、後方にA船の両舷灯を視認したので、A船を見ていたところ、前後部マスト灯の角度がわずかに右に振れたので、A船が右転してB船を避けてくれるものと思った。
 しかし、船長Bは、その後もA船が接近してくるので、衝突を回避するため引き索を緩めようとしたが、A船と衝突した。
 B船は、転覆したが、船長Bは、A船に救助された。
原因  本事故は、夜間、小槌島北東方の東航路西航レーンにおいて、A船が西進中、B船が漂泊して漁ろうに従事中、A船が見張りを行わずにB船に向けて航行し、また、B船が、A船が右転して避けてくれるものと思い、揚網を続けたため、両船が衝突したことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。