JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2010-8
発生年月日 2010年02月11日
事故等種類 死傷等
事故等名 貨物船第三豊丸作業員死亡
発生場所 千葉県袖ヶ浦市袖ヶ浦東京ガスシーバース灯から真方位015°2km付近
管轄部署 横浜事務所
人の死傷 死亡
船舶種類 貨物船
総トン数 5~20t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2010年08月27日
概要  本船は、船長、乗組員及び作業員の3人が乗船し、千葉県千葉港千葉区に錨泊中の貨物船SPRING EURO(以下「錨泊船」という。)から修理機器(ボイラー)を受け取るため、平成22年2月11日05時30分ごろ、風浪の影響が少ない錨泊船の風下に占位し、係留索を使用せずに前進速力のまま錨泊船の右舷船尾部に船首を押しつけ、本船の作業灯2個及び探照灯1個を点灯して修理機器の積込み作業を開始した。
 船長は本船が錨泊船から離れないように操船を行い、乗組員は船倉内の作業に就き、作業員は腰に自動膨張式救命浮き輪(以下「救命浮き輪」という。)を装着して本船の船首右舷側甲板通路に立って積込み作業の指揮を執っていた。 
 錨泊船側の乗組員(以下「錨泊船乗組員」という。)は、05時50分ごろ、積込み作業が終了してクレーンのワイヤーを巻き上げているとき、「ドプーン」という水音を聞き、本船右舷側の操舵室付近から約1m離れた海中で、両手をパタパタさせている作業員を認めたため、船長及び乗組員に作業員が落水したことを大声で知らせた。
 船長及び乗組員は、作業員を救助するため、本船の操舵室右舷側に長さ約2mのアルミ製梯子を取り付け、また、錨泊船乗組員は落水した作業員に救命浮環を投下した。
 作業員は、展張した救命浮き輪を使用しないまま、自力で梯子に泳ぎ着き、梯子のタラップに手をかけたが、乗組員の「自力で上がれるか。」という呼び掛けに、声を出さずに首を横に振ったのち、すぐに梯子から手を離し、うつぶせ状態になって船尾方向に流された。
 本船は、作業員を救助するため、錨泊船乗組員2人が本船に移乗して、3人で手鈎付き棒を使用して作業員を引き寄せて救助しようと試みたが、引き揚げられなかった。
 作業員は、落水してから約30分後、通報を受けた海上保安庁の巡視艇によって救助され、救急車で病院に運ばれたが、死亡が確認され、死因は溺死と検案された。
原因  本事故は、本船が千葉港千葉区において錨泊船からの積込み作業を終了したのち、作業員が落水した際、パニック状態に陥ったため、救命浮き輪を有効に活用できなかったことにより、発生した可能性があると考えられる。
死傷者数 死亡:1人(作業員)
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。