
| 報告書番号 | MA2010-7 |
|---|---|
| 発生年月日 | 2009年06月22日 |
| 事故等種類 | 沈没 |
| 事故等名 | ケミカルタンカー第二十八喜久丸沈没 |
| 発生場所 | 茨城県鹿島港 鹿島港北防波堤灯台から真方位194°5,830m付近 |
| 管轄部署 | 横浜事務所 |
| 人の死傷 | |
| 船舶種類 | タンカー |
| 総トン数 | 200~500t未満 |
| 報告書(PDF) | 公表 |
| 公表年月日 | 2010年07月30日 |
| 概要 | 本船は、船長ほか4人が乗り組み、平成21年6月21日11時15分ごろ、約660トンのバラスト水を積んだ状態で鹿島港の沖に錨を入れた。 船長は、水酸化ナトリウム(約1,000トン)の積み込みに備え、機関員に対し、抜錨前に3番、4番及び6番の各バラストタンクから、荷役作業中に1番、2番、5番及び7番の各バラストタンクから排水するように指示した。 機関員は、翌22日05時30分ごろバラストポンプを起動して排水を開始し、その後、朝食の準備を行いながらバラスト水の吐出状況を確認したところ、ふだんよりも吐出量が少ないように感じたが、07時ごろバラストタンク内の海水がなくなったときと同じような状況であったことから、排水作業が終了したものと思い、バラストポンプを停止した。 本船は、07時40分ごろ抜錨して08時30分ごろ鹿島港の岸壁に左舷着けをし、08時35分ごろ積荷作業及び残ったバラストタンクからの排水作業を開始した。 一等航海士は、08時50分ごろ、バラスト水の吐出量が少ないことに気付き、機関員及び機関長とともにポンプルーム内のバルブを点検したところ、バラストタンクへの注水時に開けるバルブ(以下「張込み用バルブ」という。)が開弁していることに気付き、これを閉弁したところ、正常の吐出量となったことを確認した。 一等航海士は、1番、3番及び4番の貨物倉にほぼ予定量の水酸化ナトリウムを積み終え、さらに2番貨物倉に予定量の半分程度を積み込んだとき、ふだんと異なり、船首トリム状態となっていることに気付き、機関員にバラスト水の排出状況を尋ねたところ、間もなく終了するとのことから、積荷作業を続行することとした。 本船は、2番貨物倉に予定量を積み終え、荷役終了時の調整分を4番貨物倉に積み込んでいたところ、10時15分ごろ、港内を航行する他船の航走波が上甲板上に上がるとともに左舷側に傾き、さらに船首トリムが増大し始めた。 船長は、積荷作業の停止を指示したが、左舷側への傾斜が増大するとともに船首部が沈下する状況となったので、乗組員に退船を指示した。 本船は、左舷側に大きく傾いて船橋甲板の側壁が岸壁角に接触する状況となり、船体傾斜が小康状態となったとき、乗組員が本船に戻り、貨物油倉のマンホールを閉めるとともに主機を停止させた。 本船は、その後船体沈下が進み、翌23日05時30分ごろ係留状態のまま着底した。 船舶所有者は、本船からの漏油を吸着マット等により回収する一方、潜水夫によるエアー抜きパイプの閉鎖作業を実施した。 本船は、平成21年7月21日11時00分ごろ起重機船により吊り上げられ、積荷の瀬取りを行ったのち、仙台塩釜港の造船所で修理を行い、11月24日運航を再開した。 |
| 原因 | 本事故は、本船が、鹿島港において、多量のバラスト水を積んだ状態で積荷役作業を行ったため、過積載状態となり、上甲板上が海水に浸かる状況となり、船内に浸水して沈没したことにより発生したものと考えられる。 |
| 死傷者数 | なし |
| 勧告・意見 | |
| 情報提供 | |
| 動画(MP4) | |
| 備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。