JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2025-4
発生年月日 2024年07月02日
事故等種類 衝突(単)
事故等名 旅客船兼自動車渡船シルバーブリーズ衝突(消波ブロック)
発生場所 北海道苫小牧市苫小牧港西港区 苫小牧港西防波堤灯台から真方位253°290m付近
管轄部署 事務局
人の死傷
船舶種類 旅客船
総トン数 5000~10000t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2025年04月24日
概要  旅客船兼自動車渡船シルバーブリーズは、苫小牧港西港区に向けて入港中、港内護岸の消波ブロックに衝突した。
 シルバーブリーズは、バルバスバウの破口等を生じ、また、護岸は、コンクリート製消波ブロックに破損を生じた。
原因  本事故は、夜間、本船が、苫小牧港に向けて苫小牧港南方沖の本件経路線の西側を約16knの速力で北進中、船長が、正確な船位を把握していなかったため、本件水路に向けた右転を本件灯台を通過するまで遅らせ、本件水路から西方に外れ、本件護岸への衝突を避けようとして右舵を取ったものの、本件護岸の消波ブロックに衝突したものと考えられる。
 船長が、正確な船位を把握していなかったのは、ふだんから、夜間、視界が良ければ、本船の船位をレーダー等を使用して正確に把握することはせず、自身の感覚に頼って入港操船を行っており、本事故当日においても、本件灯台の方位を目測するのみであったことによるものと考えられる。
 船長が、本件水路に向けた右転を本件灯台を通過して十分に離れるまで遅らせたのは、本事故当時、針路010°で操船を引き継ぎ、本船が本件灯台に近い東寄りの進路を北進していると思ったことから、東島防波堤に近寄り過ぎないようにしたことによるものと考えられる。
次の船長の行動は、本事故の発生に関与したものと考えられる。
  1  昇橋が遅れたこと、本件灯台までの横距離が近くなるように感じたこと及び針路010°で引継ぎを受けたことによって、ふだんの入港操船と手順が異なり、本船と本件灯台との位置関係を把握しづらい状況に陥っていたこと。
  2  当直航海士から引継ぎを受ける際、SMSマニュアルを適切に運用することなく、また、コミュニケーションが不十分であり、正確に本船の船位を把握していなかったこと。
  3  本船が本件水路を航行する際、ふだんから目測で本件灯台という単一の物標の方位のみを目安にして操船していたこと。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。