報告書番号 | MA2025-4 |
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発生年月日 | 2024年05月20日 |
事故等種類 | 死傷等 |
事故等名 | ばら積み貨物船EVER FELICITY陸上作業員死傷 |
発生場所 | 宮城県石巻市石巻港雲雀野北ふ頭 石巻港雲雀野指向灯から真方位346.7°960m付近 |
管轄部署 | 事務局 |
人の死傷 | 死亡:負傷 |
船舶種類 | 貨物船 |
総トン数 | 5000~10000t未満 |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2025年04月24日 |
概要 | ばら積み貨物船EVER FELICITYは、宮城県石巻市石巻港の雲雀野北ふ頭において、荷役作業中、令和6年5月20日07時35分ごろ、陸上作業員2人が船倉内で意識を失って倒れ、病院に搬送されたが、1人が死亡し、1人が負傷した。 |
原因 | 本事故は、本船が、本件ふ頭で本件積荷役作業中、事前に第1船倉の作業環境測定が行われなかったため、同船倉内に入った作業員A及び作業員Bが、標準大気よりも酸素濃度が低く、二酸化炭素濃度が高い空気を吸引して意識を失い、本件PKS上に倒れたことにより発生したものと考えられる。 事前に第1船倉の作業環境測定が行われなかったのは、A1支店が、本件積荷役作業の実施に当たり、船倉内の作業環境測定を含むリスクアセスメントを記載したRA作業手順書を作成せず、作業員に対し、船倉内作業の関連法令に基づく安全管理を行わなかったことによるものと考えられる。 本件積荷役作業の実施に当たり、RA作業手順書が作成されなかったのは、次のことによるものと考えられる。 (1) A1支店担当者は、本船が空船で入港することで船倉に危険性がなく、揚げ荷役と逆の手順で作業を行えばよいと考え、本件積荷役作業が安衛システムに示す作業方法等を新規に採用するなどの作業に当たるものではないと判断した。 (2) A1支店では、前記(1)のA1支店担当者の判断に対し、新たなRA作業手順書を作成しなければならないとの指示、指摘等はなく、本件積荷役作業の実施に当たり、ばら積貨物の積荷役に関する経験や手順を基に従来の方法で安全に作業ができると考え、本件計画表による作業実施を作業員に指示した。 (3) A1支店担当者及び作業員は、船倉に本件PKSの積載が進む過程において、作業環境が変化することに思い至らず、船倉で作業環境測定を行う必要があることを定める本件関連法令に該当する認識がなかった。 |
死傷者数 | 死亡:作業員1人、負傷:作業員1人 |
勧告・意見 | |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。