JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2024-3
発生年月日 2023年01月24日
事故等種類 乗揚
事故等名 貨物船XIN HAI ZHOU 2乗揚
発生場所 沖縄県竹富町竹富島北西方沖 琉球観音埼灯台から真方位268°3.8海里付近
管轄部署 事務局
人の死傷
船舶種類 貨物船
総トン数 5000~10000t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2024年03月28日
概要  貨物船XIN HAI ZHOU 2は、沖縄県石垣市石垣島西方沖において、時間調整の目的で漂泊していたところ、風波を受けて圧流され、主機を始動して航行中、十分な推進力及び舵効が得られずに圧流され続け、竹富島北西方沖の浅礁に乗り揚げた。
 XIN HAI ZHOU 2は、後に船体が中央部で分断した。
原因  本事故は、沖縄南方海上及び東シナ海南部に海上強風警報が、石垣市及び竹富町に強風注意報及び波浪警報が、それぞれ発表されている状況下、本船が、南方に本件浅礁が存在する石垣島西方沖において漂泊し、北方からの風波を左舷方から受けて南方に圧流されたが、風波が増勢した後も本件浅礁との距離が約3Mに接近するまで漂泊を続け、その後に主機を始動して北進しようと航行中、外力に勝る十分な推進力及び舵効が得られなかったため、船体制御ができない状態で圧流され続け、本件浅礁に乗り揚げたものと考えられる。
 本船が主機始動後においても十分な推進力及び舵効が得られなかったのは、船長が、主機を使用可能な最大の出力とせず、半速力前進の回転数で使用を続け、主機の出力がMCRの約40%であったことによる可能性があると考えられる。
 本船が、主機を使用してちちゅうするなどの避泊方法をとらず、南方に本件浅礁が存在して北方からの風波を受ける石垣島西方沖で漂泊したのは、船長が、海外の気象情報ウェブサイトから入手した気象情報のみにより、予報どおりの気象海象条件であれば航行に支障はないと思っていたことによるものと考えられる。
 本船が、風波が増勢した後も本件浅礁との距離が約3Mに接近するまで漂泊を続けたのは、船長が、予報どおりの気象海象条件であれば航行に支障はないと思い、当直航海士に対して漂泊中の船位の確認及びその維持並びに気象海象の変化等に関する船長への報告事項及びその時期について、指示していなかったことによるものと考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見 安全勧告
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。