JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2024-2
発生年月日 2020年11月30日
事故等種類 施設等損傷
事故等名 コンテナ船ONE APUSコンテナ積付台等損傷
発生場所 アメリカ合衆国ハワイ諸島西北西方沖  ハワイ諸島ニイハウ島 Lehua Island灯台から真方位295°約1,585海里付近~1,565海里付近
管轄部署 事務局
人の死傷
船舶種類 貨物船
総トン数 30000t以上
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2024年02月29日
概要  コンテナ船ONE APUSは、船長ほか23人が乗り組み、アメリカ合衆国ハワイ諸島ニイハウ島西北西方沖を東南東進中、令和2年11月30日23時22分ごろ~12月1日00時59分ごろ(船内時間)、横揺れにより荷崩れが生じ、コンテナ(1,841個)が海中に落下し、その後、目的地を変更して阪神港に緊急入港した。
 ONE APUSは、コンテナ積付台の破孔等を生じ、残存していたコンテナのうち983個が損傷したが、死傷者はいなかった。
原因  本事故は、夜間、本船が、ハワイ諸島ニイハウ島西北西方沖を東南東進中、北西及び北北西方向から約5~6mのうねりを左舷船尾方に受ける状況下、船長が、横揺れを軽減しようとして針路約140°で航行したため、同うねりの方向が‘本船の正船尾から左舷30°~60°に波を受ける危険範囲’に近い状態となり、横傾斜角が20°以上生じ、1回目の荷崩れが発生したものと考えられる。
 その後、本船は、船長が、横揺れが更に激しくなるのを感じて、針路を約120°に変針して航行を続けたため、うねりの方向が‘本船の正船尾から左舷30°~60°に波を受ける危険範囲’に入ることとなり、横傾斜角が25°以上生じ、2回目の荷崩れが発生したものと考えられる。
 本船は、荷崩れが発生したことにより、積載していたコンテナが倒壊するなどしてコンテナ積付台等の甲板上構造物が損傷し、本事故に至ったものと考えられる。
 船長が、針路を約140°とし、うねりの方向が‘本船の正船尾から左舷30°~60°に波を受ける危険範囲’に近い状態となったのは、夜間で海象状態を適切に把握できなかったことによるものと考えられる。
 船長が、針路を約120°とし、うねりの方向が‘本船の正船尾から左舷30°~60°に波を受ける危険範囲’に入ったのは、本船の横傾斜角が約5°程度に収まり、このままの針路及び速力を保持して航行すれば、安全に航行できると判断したことによるものと考えられる。
 本船は、横揺れが始まった11月30日21時40分ごろから針路を大きく変えた12月1日00時59分ごろまでの間、パラメトリック横揺れが発生しやすい状況で航行していたものと考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考 関係団体等への周知協力依頼
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。