JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2019-8
発生年月日 2018年09月14日
事故等種類 死傷等
事故等名 漁船第三盛漁丸乗組員負傷
発生場所 熊本県天草市大島西方沖 牛深大島灯台から真方位279°7.3海里付近
管轄部署 事務局
人の死傷 負傷
船舶種類 漁船
総トン数 5~20t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2019年08月29日
概要  漁船第三盛漁丸は、漁労長及び船長ほか3人が乗り組み、熊本県天草市大島西方沖で錨泊して揚網作業中、平成30年9月14日04時30分ごろ漁労長がサイドローラに巻き込まれて重傷を負った。
原因  本事故は、夜間、第三盛漁丸が、天草市大島西方沖において錨泊して揚網作業中、船首側及び船尾側サイドローラで網の巻揚げを調整して魚群を網の船首側に寄せながら網の底部を平坦にする作業の際、漁労長が、単独で、ゴム手袋を着用し、船尾側サイドローラが回転した状態で船尾側サイドローラに網を固定しようとしたため、左手に着用していたゴム手袋の指先部分が揚収中の網と回転している船尾側サイドローラとの間に挟まれ、その後、左手に続いて左腕が船尾側サイドローラに巻き込まれたことにより発生したものと考えられる。
 漁労長が、単独で船尾側サイドローラに網を固定しようとしたのは、網の揚収が船首側サイドローラよりも船尾側サイドローラで進んでおり、網の中の魚群の偏在により、網の船首側が重くなって船首側サイドローラでの網の巻揚げに人手を要し、最船尾の作業位置で網を船内側に回転するサイドローラの上部に押し付けながら巻き揚げて船内に揚収する作業を行っていた漁労長を除いた乗組員が船首側サイドローラで網を巻き揚げることとなったことによるものと考えられる。
 漁労長が、ゴム手袋を着用し、船尾側サイドローラが回転した状態で船尾側サイドローラに網を固定しようとしたのは、好漁となって操業時間が長引き、早く帰港して水揚げに条件の良い岸壁を確保したいとの思いから気持ちに焦りがあったこと、及び作業への慣れがあったことによるものと考えられる。
死傷者数 負傷:漁労長
勧告・意見 意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。