報告書番号 | MA2018-1 |
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発生年月日 | 2016年08月01日 |
事故等種類 | 衝突 |
事故等名 | 旅客フェリーフェリーきたきゅうしゅうⅡLPGタンカー第五鹿島丸衝突 |
発生場所 | 香川県丸亀市広島南方沖 波節岩灯標から真方位056.5°1,300m付近 |
管轄部署 | 事務局 |
人の死傷 | |
船舶種類 | 旅客船:タンカー |
総トン数 | 10000~30000t未満:500~1600t未満 |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2018年01月25日 |
概要 | 旅客フェリー フェリーきたきゅうしゅうⅡは、船長ほか26人が乗り組み、旅客566人を乗せ、車両等92台を積載し、関門港新門司区に向けて備讃瀬戸北航路を西航中、また、LPGタンカー第五鹿島丸は、船長ほか6人が乗り組み、液化プロピレン500tを積載し、愛媛県新居浜市新居浜港に向けて同航路を西航中、平成28年8月1日00時40分30秒ごろ、香川県丸亀市広島南方沖において、両船が衝突した。 フェリーきたきゅうしゅうⅡは、左舷船尾部外板に凹損及び擦過傷を生じ、また、第五鹿島丸は、左舷船橋ウイング及び左舷後部に凹損、曲損等を生じたが、両船共に死傷者はいなかった。 |
原因 | 本事故は、夜間、広島南方沖の北航路において、フェリーきたきゅうしゅうⅡが、先行する旅客フェリーつくしとの衝突を避けようとして北航路南側方の境界線付近で船首を南方に向けて停止した後、北航路に戻って態勢を立て直そうとして後退した際、フェリーきたきゅうしゅうⅡの船長及び航海士が後続の第五鹿島丸に対する見張りを適切に行っていなかったため、第五鹿島丸の前路に向けて後退を続け、また、第五鹿島丸の航海士がフェリーきたきゅうしゅうⅡに対する見張りを適切に行っていなかったため、フェリーきたきゅうしゅうⅡが第五鹿島丸の前路に向けて後退していることに気付くのが遅れ、両船が衝突したものと考えられる。 フェリーきたきゅうしゅうⅡの船長及び航海士が後続の第五鹿島丸に対する見張りを適切に行っていなかったのは、第五鹿島丸に対してフェリーきたきゅうしゅうⅡの右舷方を通過してほしい旨を伝えた際、第五鹿島丸の航海士から了解した旨の返答を受け、第五鹿島丸がフェリーきたきゅうしゅうⅡの右舷方を通過すると思ったことによるものと考えられる。 第五鹿島丸の航海士がフェリーきたきゅうしゅうⅡに対する見張りを適切に行っていなかったのは、フェリーきたきゅうしゅうⅡに近づく頃にはフェリーきたきゅうしゅうⅡが航行を再開するものと思っていたこと、フェリーきたきゅうしゅうⅡから後退していることを伝えられなかったこと、及び主機を後進にかけていることを示す汽笛信号等がなかったことによるものと考えられる。 フェリーきたきゅうしゅうⅡが第五鹿島丸に後退していることを伝えなかったのは、フェリーきたきゅうしゅうⅡの船長が航路内に戻って態勢を立て直すことに気をとられていたこと、及び航海士が動揺していて混乱した状態になっていたことによる可能性があると考えられる。 なお、フェリーきたきゅうしゅうⅡが北航路南側側線付近で船首を南方に向けて停止したのは、旅客フェリーつくしとの十分な船間距離を保持しなかったことによるものと考えられる。 |
死傷者数 | なし |
勧告・意見 | |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。