報告書番号 | MA2017-7 |
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発生年月日 | 2016年01月08日 |
事故等種類 | 衝突(単) |
事故等名 | 旅客船ビートル衝突(海洋生物) |
発生場所 | 長崎県対馬市上島北西方沖 三島灯台から真方位325°18.2海里付近 |
管轄部署 | 事務局 |
人の死傷 | 負傷 |
船舶種類 | 旅客船 |
総トン数 | 100~200t未満 |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2017年07月27日 |
概要 | 旅客船ビートルは、船長及び一等航海士ほか5人が乗り組み、旅客184人を乗せ、水中翼の揚力によって船体を海面上に浮上させ、長崎県対馬市上島北西方沖を大韓民国釜山港から福岡県福岡市博多港へ向けて対地速力約40ノットで航行中、平成28年1月8日09時54分ごろ、海洋生物に衝突した。 ビートルは、旅客3人が腰椎圧迫骨折等の重傷及び4人が軽傷を負うとともに、客室乗務員2人が軽傷を負い、船首部の衝撃吸収装置が伸び、艇走して釜山港へ引き返した。 |
原因 | 本事故は、鯨類などとの衝突に対する安全対策の一環として減速航行などの実施を指示する目的でJR九州高速船株式会社が平成28年1月4日に設定した上島北西方沖の海域において、ビートルが、巡航速力(40ノット)で航行中、至近で海洋生物を発見したため、転舵したものの海洋生物と衝突したものと考えられる。 ビートルが、巡航速力で航行中、至近で海洋生物を発見したのは、ビートルの船長が‘36~38ノットでの減速航行、海洋生物に対する船長、機関長、一航士及び一機士の4人による見張りの強化、ワゴン販売の中止、客室乗務員の着席、旅客に対するシートベルト着用周知放送の実施’(鯨類警戒航行)を指示せず、見張りの強化が行われずに航行したことが関与した可能性があると考えられる。 ビートルの船長が鯨類警戒航行を指示しなかったのは、JR九州高速船株式会社が、鯨類警戒航行の実施要領を安全管理規程に定めて周知徹底を図っていなかったこと、減速航行実施に伴う許容される遅延時間を伝えていたこと及び鯨類警戒航行の実施状況の把握をしていなかったことが関与したものと考えられる。 |
死傷者数 | 負傷:旅客7名、客室乗務員2名 |
勧告・意見 | 勧告 |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。