報告書番号 | MA2016-7 |
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発生年月日 | 2015年05月04日 |
事故等種類 | 爆発 |
事故等名 | 遊覧船イルペンダム爆発 |
発生場所 | 長崎県佐世保市ハウステンボス内の南桟橋 針尾港北防波堤灯台から真方位024°4,150m付近 |
管轄部署 | 事務局 |
人の死傷 | 負傷 |
船舶種類 | 旅客船 |
総トン数 | 5~20t未満 |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2016年07月28日 |
概要 | 遊覧船イルペンダムは、整備員2人が乗船し、長崎県佐世保市ハウステンボス内の南桟橋に係留して整備作業中、平成27年5月4日08時30分ごろ、左舷機を始動したところ、機関室内で爆発が発生した。 イルペンダムは、整備員1人が熱傷を負い、客室内に破損を生じた。 |
原因 | 本事故は、本船が、ハウステンボス内の南桟橋に係留中、整備員Aが、本件スプレー缶の約半分の量を左舷機に噴射して洗浄し、機関室内に本件可燃性ガスが滞留していたため、左舷機を始動しようとしてバッテリのプラス側とスタータコイル端子を直接つないだところ、電気火花を生じて本件可燃性ガスに引火したことにより発生したものと考えられる。 整備員Aは、本件スプレー缶の中にLPGが含まれ、LPGが空気より重く爆発性があることを知っていたが、左舷機を洗浄した際、本件可燃性ガスの臭いがしなかったので、本件可燃性ガスが既に機関室の外に拡散していると思ったことから、左舷機を始動しようとしたものと考えられる。 整備員Aは、本件スプレー缶の洗浄剤が気化して空気中に拡散すると臭いがしなくなることを知らなかったことから、左舷機を洗浄した際、本件可燃性ガスの臭いがしなかったので、本件可燃性ガスが既に機関室の外に拡散していると思ったものと考えられる。 整備員Aは、本件スプレー缶が自動車専用のブレーキパーツ洗浄剤であるものの、従来から機関を洗浄する際に使用しており、本事故当時も本船機関室で使用したものと考えられる。 |
死傷者数 | 負傷:整備員 |
勧告・意見 | |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 | 関係団体等への周知協力依頼 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。