報告書番号 | MA2017-9 |
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発生年月日 | 2016年01月10日 |
事故等種類 | 乗揚 |
事故等名 | 貨物船CITY乗揚 |
発生場所 | 山形県酒田市酒田港付近 酒田灯台から真方位010°2,260m付近 |
管轄部署 | 事務局 |
人の死傷 | |
船舶種類 | 貨物船 |
総トン数 | 3000~5000t未満 |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2017年09月28日 |
概要 | 貨物船CITYは、船長ほか17人が乗り組み、山形県酒田市酒田港付近において単錨泊中、風速が増し、揚錨して沖へ出ようとしたものの、圧流され、平成28年1月10日05時09分ごろ酒田港付近の西護岸の消波ブロックに乗り揚げた。 CITYは、船体が船橋まで水没し、全損となったが、死傷者はいなかった。 |
原因 | 本事故は、CITYが、酒田港を含む秋田沖に最大風速15m/sの風及び波高約2.8mの波が予想されている状況下、酒田港沖で錨泊中、気象及び海象情報を適切に入手しておらず、また、船長が、CITYの耐航性を把握していなかったため、安全な水域に避難する時機を逸し、揚錨して沖へ向かおうとしたものの針路を保持するだけの速力が得られずに操船不能となり、酒田港付近の西護岸の消波ブロックに乗り揚げたものと考えられる。 CITYが、気象及び海象情報を適切に入手していなかったのは、船長がアジア太平洋地上解析図及び沿岸波浪解析図を見て天候の悪化を示す兆候がないと思ったことによるものと考えられる。 船長がCITYの耐航性を把握していなかったのは、Trans Ocean Shipping Co., Ltd.が安全管理マニュアル等において、バラスト航海状態時における限界係駐力と限界風速、同航海状態時における風圧及び主機出力を考慮した保針操船の限界等の耐航性に関する記載がなかったことによるものと考えられる。 |
死傷者数 | なし |
勧告・意見 | 安全勧告 |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。