報告書番号 | MA2015-6 |
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発生年月日 | 2013年08月12日 |
事故等種類 | 衝突 |
事故等名 | ロールオン・ロールオフ貨物船うりずん21貨物フェリーフェリーたいしゅう衝突 |
発生場所 | 福岡県福岡市能古島北方沖 能古島灯台から真方位016°855mの博多港港界付近 |
管轄部署 | 事務局 |
人の死傷 | |
船舶種類 | 貨物船:貨物船 |
総トン数 | 3000~5000t未満:500~1600t未満 |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2015年05月28日 |
概要 | ロールオン・ロールオフ貨物船うりずん21は、船長ほか11人が乗り組み、旅客1人を乗せ、福岡県福岡市博多港に向けて東南東進中、貨物フェリーフェリーたいしゅうは、船長ほか5人が乗り組み、旅客12人を乗せ、長崎県対馬市厳原港に向けて西北西進中、平成25年8月12日23時28分ごろ、福岡県福岡市能古島北方沖において、両船が衝突した。 うりずん21は、左舷船首ブルワークに曲損及び擦過傷を生じ、フェリーたいしゅうは、左舷船尾部に破口及び擦過傷、ランプドアに曲損を生じたが、両船共に死傷者はいなかった。 |
原因 | 本事故は、夜間、博多港港界付近において、うりずん21が東南東進しながら入航中、フェリーたいしゅうが西北西進しながら出航中、両船が右舷を対して通過する通航方法を合意した後、うりずん21が、左転し、入港作業等の目的で‘右舷船尾付近に設置された水銀投光器’(水銀投光器A)及び‘左舷船尾のランプドアハンドリングポスト右舷船首側基部付近に設置された水銀投光器’(水銀投光器B)を点灯して航行を続け、また、フェリーたいしゅうが、直進を続け、うりずん21と至近に接近して右転したため、両船が衝突したことにより発生したものと考えられる。 フェリーたいしゅうが右転したのは、フェリーたいしゅうがうりずん21の水銀投光器A及び水銀投光器Bの中間点を基点とした船首尾線と視点を結ぶ線とのなす約5.0°~約10.0°の水平角に入り、フェリーたいしゅうの船長が、水銀投光器A及び水銀投光器Bの照明によるグレアによってうりずん21の右舷灯が見えにくくなってうりずん21の動向が分からなくなり、水銀投光器A及び水銀投光器Bが更に接近するのを見て衝突すると思い込んだことによるものと考えられる。 フェリーたいしゅうの船長が、水銀投光器A及び水銀投光器Bが更に接近するのを見て衝突すると思い込んだのは、うりずん21を視認後、うりずん21の前部マスト灯と後部マスト灯の位置関係を確認するなどの系統的な観察を行っていなかったことによる可能性があると考えられる。 うりずん21が入港作業等の目的で水銀投光器A及び水銀投光器Bを点灯して航行を続けたことは、うりずん21の船長が、ふだんから入港作業等の前に甲板上を照らす目的で水銀投光器A及び水銀投光器Bを含む照明を点灯しており、水銀投光器A及び水銀投光器Bの照明によってうりずん21の右舷前方からの法定灯火が見えにくくなることを認識していなかったことが関与した可能性があると考えられる。 両船が右舷を対して通過する通航方法を合意した後、フェリーたいしゅうが直進を続けたことは、本事故の発生に関与した可能性があると考えられる。 |
死傷者数 | なし |
勧告・意見 | |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。