JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MI2014-10
発生年月日 2013年06月11日
事故等種類 安全阻害
事故等名 自動車運搬船AUTO BANNER練習艦しまゆき安全阻害
発生場所 関門港関門航路六連島東方沖  山口県下関市所在の六連島灯台から真方位137°1,250m付近
管轄部署 事務局
人の死傷
船舶種類 貨物船:公用船
総トン数 30000t以上:3000~5000t未満
報告書(PDF) 公表説明資料
公表年月日 2014年10月30日
概要  自動車運搬船AUTO BANNERは、船長ほか23人が乗り組み、水先人が水先を行い、阪神港堺泉北区に向けて関門港の関門航路を南進中、練習艦しまゆきは、艦長ほか153人が乗り組み、長崎県佐世保港に向けて同航路を北北東進中、平成25年6月11日20時48分ごろ、山口県下関市六連島東方沖の関門航路において、行き会う際、しまゆきが左転して航路の左側へ航行し、AUTO BANNERの前路に進出する態勢となって港則法の定めと異なる航行を行い、AUTO BANNERに対して接近を続け、AUTO BANNERは、衝突の危険が生じることを避けるため、左転を行って航路の左側を航行することとなり、20時50分ごろ、両船が、右舷対右舷で通過した際、距離約250mに接近して航行し、安全が阻害された。
原因  本インシデントは、夜間、関門港の六連島東方沖の関門航路において、A船が阪神港堺泉北区に向けて南進中、B船が佐世保港に向けて北北東進中、両船が行き会う際、A船が航路の右側を航路に沿うように右転していたところ、右舷前方のB船が、航路の中央付近を航行し、また、次の針路に向けようとして予定変針点より手前で左転したため、航路の左側へ航行することとなるとともに、A船に両舷灯を見せ、A船の前路に進出する態勢となって港則法の定めと異なる航行を行い、A船に対して接近を続け、A船がB船との衝突を避けようとして航路の左側を航行することとなり、両船が右舷対右舷で接近して航行したことにより発生したものと考えられる。
 B船が、関門航路の中央付近を航行し、また、次の針路に向けようとして予定変針点より手前で左転したのは、それぞれ次の(1)及び(2)記載のことによるものと考えられる。
  (1) B船は、本件コースラインが関門航路の中央寄りに設定されており、また、風潮流で関門航路の中央方向に圧流されながら、航路の中央付近を航行していたが、航海長Bは、航路の中央付近を航行しているとの認識がなく、次の変針点に接近していることから、針路の修正を行わず、次の変針点で変針することについて、艦長Bの了承を得たので、針路を保持して航行したこと。
  (2) 航海長Bは、乗組員から変針という報告を聞き、変針点に到達したものと思い、また、次の変針点付近である第5号灯浮標と第3号灯浮標を結ぶ線も近くに感じたこと。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

CGによる事故状況の再現(その1(2分55秒))
CGによる事故状況の再現(その2(2分57秒))
CGによる事故状況の再現(その3(2分55秒))

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。